VAGUE(ヴァーグ)

スーパーカーブーム時代に「カウンタックLP400」のライバルだったフェラーリ「365GT4/BB」の最新相場とは

一流のプロによってメンテナンスされた「BB」の落札価格は?

 今回紹介する124台目の365GT4/BBは、レナート・ノチェンテーニがフィレンツェ近郊プラートの街で経営していた高級車ディーラー「ガラージェ・ラ・ロトンダ(Garage La Rotonda)」を介して、フィレンツェ登録であることを意味する【FI 743497】のナンバーとともに、新車として初代オーナーに納められたという。

 その後、この365GT4/BBはイタリア国内のエンスージアストのもとを転々としたのち、2011年にドイツ在住のフェラーリ愛好家に譲渡。2019年1月にギカス氏のコレクションに加わる。

後継モデルとなる「512BB」との外観上の大きな違いは、リアライトと同じ形状でリフレクターがデザインされており3連ライトに見える点だ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
後継モデルとなる「512BB」との外観上の大きな違いは、リアライトと同じ形状でリフレクターがデザインされており3連ライトに見える点だ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●エスティメートの最高額を上回るハンマープライス

 またイタリア時代の2006年12月には「フェラーリ・クラシケ」の認定を受け、エンジンがマッチングナンバーであること、正しいタイプのギアボックスが搭載されていることが確認された。加えて2007年から2009年まで、同じくマラネッロのフェラーリ・クラシケに委託され、機関部の大規模なメンテナンスが施されたとのことである。

 ドイツのオーナーに譲渡されたのち、#18025はマラネッロに一時的な里帰りも果たし、元色であるアルジェント・メタリッツァートを維持したまま「カロッツェリア・ザナージ(Carrozzeria Zanasi)」による慎重な再塗装が施された。

 また、ザナージと同じくモデナの名職人として知られる「ルッピ(Luppi)S.r.l」によるベージュ本革レザーの張替えもおこなわれたとのことである。

 ドイツに戻った#18025は、さらにスイス・ルガーノ近郊の「ケッセル・レーシング/レーシングカーSA」によるエンジンのフルオーバーホールを受けたのち、イタリア・パルマ近郊の「GPSクラシックS.r.l.」によってサスペンションまわりのオーバーホールも施されるなど、複数のフェラーリ・スペシャリストによって極上の1台に仕立てられた。

 今回のオークション出品にあたって、フェラーリの発行した当時モノのドキュメントはもちろん、フェラーリ・クラシケの「レッドブック」も添付されたこの美しい365GT4ベルリネッタ・ボクサーは、フェラーリ・コレクションに追加する価値のある個体として、「次の世話人」が極上の愉悦を味わうだけの準備ができている、と説明が加えられている。

 そんなキャッチフレーズとともに、RMサザビーズは27万5000−35万ユーロのエスティメートを設定した。

 そしてリザーヴ(最低落札価格)なし、つまり売り切りでおこなわれた競売では35万3750ユーロ、日本円に換算すると約4600万円で落札されることになったのだ。

* * *

 さて、同じ「ギカス・コレクション」オークションに出品されていたランボルギーニ「カウンタックLP400」の落札価格は、90万5000ユーロ(邦貨換算約1億1580万円)。LP400の生産台数が157台(ほかに152台説など諸説あり)といわれているので、387台が製造されたとされている365GT4/BBの半分以下。

 市場での人気もさることながら、生産台数もオークションでのプライスの大きな要因になるのであろう。

Gallery 【画像】スーパーカーブーム時代に心躍らせた「BB」をたっぷりお見せします(32枚)
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