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環境保護主義者の「STING」がV8ジャガーの後席に!? 「Sタイプ」がネバダの砂漠を駆ける詩的な映像【MVの名車】

V8搭載ジャガーを宣伝する環境保護主義者

 このMVに登場しているクルマは、ジャガーが1998年のバーミンガム・ショーで発表したSタイプ。フォード傘下に入ったジャガーが「リンカーン LS」のプラットフォームを用いて開発したプレミアムセダンで、往年の初代Sタイプ(1963−1968年)のリメイクモデルという位置付けになる。

 丸目4灯のヘッドライトや丸みを帯びたグリルは、確かに初代Sタイプを彷彿させるアイテムだった。価格は戦略的に抑えられていて、日本ではジャガーとして初めて新車価格が600万円以下に抑えられたことも話題になった。

 一方でSタイプやこの後に登場する「Xタイプ」は、フォード傘下であまりにもアメリカナイズされたモデルだったこともあり、往年のジャガーファンからは歓迎されなかったモデルでもある。

ネバダの砂漠地帯をドライブする、ジャガー「Sタイプ」(C)YouTube(Sting)
ネバダの砂漠地帯をドライブする、ジャガー「Sタイプ」(C)YouTube(Sting)

●ジャガーとのタイアップで実現したMV

『デザート・ローズ』のMVでは、Sタイプのエクステリア、インテリア、走行シーン、そして夜のラスベガスのネオンがボディやガラスに映り込む幻想的な姿など、大々的にフィーチャーされていることに気づくはずだ。というのも実はこのMV、ジャガーとのタイアップとなっていて、SタイプのコマーシャルにはSTINGが出演。MVとCMの映像をリンクさせるという試みがおこなわれていた。

 アルバムのセールスとCM出演により莫大な収入を手にしたSTINGだが、彼の中には大きな葛藤があったようだ。というのもSTINGは環境保護主義者としても知られ、早くから環境問題を取り上げたさまざまな活動をおこなっていた。

 そんな彼が自動車メーカーとタイアップすることにジレンマを覚えたのは想像に難くない。STINGは後のインタビューで、「自分がおこなってきた環境保護活動により、CMに出演したことで販売されたSタイプの二酸化炭素排出量が相殺される、と聞いた」と語っている。

 そんなSTINGは2021年10月に70歳の誕生日を迎えた。驚くのは現在でも精力的に音楽活動をおこなっていて、声や体型は最盛期からまったく衰えていないということ。2021年11月には5年ぶりのオリジナル・アルバム『ザ・ブリッジ』をリリースしたばかり。2019年に発売したセルフカヴァーアルバム『マイ・ソングス』の名を冠したワールドツアーは2022年まで続く。

 このツアーでの日本公演は2019年に終了しているため現段階で来日の予定はないが、ぜひもう一度日本でライブをおこなってほしいものだ。

Nextジャガー「Sタイプ」の魅力を詩情に訴える【動画】を見る

ジャガー「Sタイプ」の魅力を詩情に訴える【動画】を見る

●Sting – Desert Rose(Official Music Video)

荒野を走るジャガー「Sタイプ」と、そのボディやウインドウに映り込むラスベガスのネオンが詩情的です

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