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カップホルダーの位置が原因でエアバックが故障? 米国で集団訴訟されたBMW「X7」の思いもよらぬ欠陥とは

濡れてはいけない配線が、なんとカップホルダー下に

 BMW北アメリカに対して、カップホルダーを巡った集団訴訟が起こされた。なんでもカップホルダーを使用した際にこぼれた液体が、カップホルダー下に設置されているエアバッグ・コントロールモジュールの配線に浸透し、やがてエアバッグの警告灯がつくのだという。それがたとえ少量であってもだ。

 現在のところ、この不調によりエアバッグが誤作動して負傷者が出るといった事例はないようだ。しかし、エアバッグの警告灯が点灯し、それを見てBMWディーラーへ持ち込んで修理を依頼すると、新車保証期間内であっても「顧客のミスによる機器不良」として全額請求されるそうだ。その額、なんと2000ドル超(邦貨換算約23万円以上)。

 BMWのオーナーが多く集うアメリカのサイトでは、同様のトラブルに見舞われているオーナーが複数いるらしく、このたび集団訴訟へと発展した。原告側の訴えによるとカップホルダー内に入れた紙コップや缶の外側に発生する結露、カップホルダー内を清掃するために吹きかける洗浄液でも、同様のトラブルが起こるという。

米国で集団訴訟を起こされた「X7 M50i」。その原因はカップホルダーだった
米国で集団訴訟を起こされた「X7 M50i」。その原因はカップホルダーだった

 筆者がもっとも気になったのは、そもそも多少の漏れが想定されるカップホルダーの下にエアバッグ・コントロールモジュールを設置することが「設計上の欠陥」であるとして、BMWが訴えられている点だ。

 原告側によるとエアバッグ・コントロールモジュールのトラブルに限らず、カップホルダーに漏れ出た液体によってATシフトが使えなくなり、「ディーラーへ入庫」というエラーメッセージが表示される事例もあったそうだ。警告灯の点灯だけならまだしも、こうなるとレッカー移動でしか車両を動かせず、オーナーは多大な迷惑を被る。

 集団訴訟の原告側代表は、「X7 M50i」に装備されているカップホルダーの不具合を訴えているが、潜在的にはX7全般、数千台が同様の問題を抱えているだろう、とも主張。

 原告側の主張もなかなかのもだ。「リコールして無償対策をしろ」、「このトラブルのよって見舞われた利益損失を補填しろ」、「このトラブルが原因で値下がりした分補填しろ」、「このトラブルで車両売却した人の利益損失を補填しろ」……などなど。

●カップホルダーのドリンクはこぼれるものなのか?

 過去を振り返れば1990年代半ばまで、BMWはカップホルダーの設置にあまり積極的ではなかったと記憶している(サイドブレーキの横にある小物入れに、オプションでカップホルダーを装着することはできた)。それを曲げてまで、せっかくユーザーの声に応えるカタチでカップホルダーを設置したのに……。

 なお、現時点ではBMWによるコメントはない。

「ちょっとくらいの液体はカップホルダー内にこぼれるだろう」と主張するオーナー側。そして「カップホルダー内のドリンクの扱いが悪い」と反論しそうなBMW側。原告側が主張する「設計上の欠陥」を裁判所がどのように判断するのか、当該集団訴訟がアメリカ“特有”のものなのか、世界的なリコールにつながるのか、目が離せない。

 いずれにせよ今後、BMWのオーナーズマニュアルには「車内での飲食に起因するトラブルは一切認めません」といった類の利用規約が追加されそうだ。

Gallery【画像】カップホルダーで集団訴訟に発展してしまった「BMW X7」を見る(10枚)

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