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第1回「皆野サンデーラリー」を密着取材! 町おこしのカーイベントの可能性を探る

参加者も楽しめる町おこしカーイベントとは

 2000年代を迎えたあたりの時期から、日本国内においてもクラシックカーイベントが急速に台頭しはじめた。そして時を同じくして、いわゆる「町おこし」の一環として開催されるイベントも、新規開催ないしは既存のイベントを招聘するというかたちをとり、日本各地で数多く見受けられるようになった。

 しかし、これまで見られた町おこしカーイベントの中には、イベントを企画・運営する自動車愛好家たちと、それを支援する地元自治体との間で、クルマ趣味というものに対する「温度差」が生じ、本来ならばもっとも尊重されるべきエントラント(参加者)の歓心を得ることなく終わってしまう事例も少なくはなかったようだ。

 そんな状況のもと、このほど初めて開催された「MINANO Sunday Rally(皆野サンデーラリー)」を訪ねたのだが、このラリーイベントは今後も成長するに違いないと思わせるものが、確かにあった。

「コッパ・ジャッポーネ」主宰の岡田邦雄氏は、今回パブリカ・コンバーチブルでエントリー
「コッパ・ジャッポーネ」主宰の岡田邦雄氏は、今回パブリカ・コンバーチブルでエントリー

●埼玉・秩父にスタートした新しいクラシックカー・ラリーとは?

 埼玉県の景勝地、秩父地方に皆野(みなの)町という小さな町がある。なんとも不勉強で恐縮なのだが、筆者自身もその町名を知ったのは、実はつい最近のことだった。

 自動車メディアで長らくともに働いてきた仕事仲間、フォトグラファーの奥村純一さんが、自身のクラシックカー趣味のためクルマ置き場兼修理工房用のガレージ(倉庫)をこの町内に構えたことをきっかけに、SNSなどを通じて初めて町名を伺ったのだ。

 ガレージ開設からほどなく、奥村さんは皆野町内をはじめとする秩父地方の自動車愛好家たちと親交を得たかたわら、縁あって皆野町役場・産業観光課直轄の「皆野町地域おこし協力隊」に加入することになったという。

 そして「長瀞」と「秩父」という、埼玉きっての二大観光地の中間地点に位置し、これまでは通過地点としか認知されていない感もあった皆野町に、メインの目的地となるようなイベントがあってほしいという思いから、2021年春には某人気自動車専門誌とのコラボレーションによりミーティングイベントを初開催。予想以上の成功を収めたとのことである。

 さらにこの成功を見て、美しき秩父路の魅力をもっと知らしめたいとして今回初めて開かれたのが「MINANO Sunday Rally」である。

チェッカーフラッグを受ける英国のバックヤードスペシャル「ファルコン」
チェッカーフラッグを受ける英国のバックヤードスペシャル「ファルコン」

 主催は奥村さんをはじめとする「皆野町地域おこし協力隊」、皆野町が後援というかたちがとられたものの、双方ともにラリーイベントのオーガナイズは事実上の初挑戦。そこで、かねてからクルマ趣味を通じて知り合った上野山聖基さんほか、東京のクルマ仲間たちに協力を仰ぐことにした。

 上野山さんは英国のスポーツカー、モーガンのワンメイククラブ「モーガンクラブ日本」の事務局長で、これまでラリー形式のクラブイベントを数多く運営している経験から、公道を使用した走行イベントには造詣が深い。

 今回も皆野町在住の自動車エンスージアスト、あるいは皆野町産業観光課スタッフと手を携えて大会事務局を発足させ、コースや競技ルールの設定から、ラリーには必須となるコマ図の製作など、あらゆる準備に尽力したという。

 そして、物理的な距離が離れているはずの東京の仲間と皆野町の仲間がいつしか一体化し、採点方法やチェックポイントの目印を作るためのアイデアをグループチャットで積極的に出し合うなど、とても良い関係を築くことができたとのことである。

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Gallery【画像】埼玉・皆野に集まったクラシックカーたちをお見せします(36枚)

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