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【年収1700万円で募集中!!】ダッジがドリフト職人と年間契約! マッスルカーメーカーらしい大胆な新計画とは

経営計画の名前もマッチョらしさ満点

 ダッジは2021年11月、「NEVER LIFT(ネバ―リフト)」という24か月経営計画を発表した。ネバーリフトは直訳すると「絶対に持ち上げない」だが、これはアクセルペダルの踏み込みを絶対に緩めない、つまりは“アクセル全開”を意味している。

 経営計画のプレゼンテーションは、ダッジのブランドイメージをふんだんに盛り込んだ動画から始まる。タイヤスモークに始まり「パワー」、「パフォーマンス」、「クレイジーさ」、「ワルさ」、「大きさ」などが謳われ、昔ながらのアメリカン・マッスルカーの雰囲気がたっぷりだ。

ワイルドなマッスルカーメーカーだけあって、一部車種にはラインロックが標準装備されている。これはフロントブレーキのみロックさせることで、バーンアウト(写真)を可能にする機構だ(C)Dodge(YouTube)
ワイルドなマッスルカーメーカーだけあって、一部車種にはラインロックが標準装備されている。これはフロントブレーキのみロックさせることで、バーンアウト(写真)を可能にする機構だ(C)Dodge(YouTube)

 動画の締めに謳われる「DOMESTIC. NOT DOMESTICATED.」というキャッチフレーズも凄い。ドメスティック(国産、という意味)とドメスティケーテッド(飼いならされた、という意味)というふたつの「ドメ」を用いた英語流の言葉遊びの、至極右翼的なキャッチフレーズで締めくくられている。もしトランプ元大統領が使ったなら、アメリカの右翼は大喜びしていただろう。

 BEV化が進められるのは、ステランティス傘下に収まったダッジも例外ではない。ダッジは2024年に世界初の“EVマッスルカー”を導入予定と発表している。教科書的な解釈をすれば、残されたわずかな時間において内燃式エンジンで出来るだけのことをやり、ダッジのマッスルカーとしてのブランドイメージをより強固なものにしようとしている。そして、顧客のブランドロイヤリティを維持・強化することで、BEVモデルに移行してからも繋ぎ止めを図ろう、という魂胆なのであろう。

●ダッジの大胆なマーケティング活動とは

 ネバーリフトによると今後、ダッジは3か月ごとに商品発表をおこなうという。これは必ずしも新型モデルというわけではなく、チューニングパーツやマイナーチェンジ、一部改良も含まれる。

「ん?」と思われた方もいるだろう。自動車メーカー自らチューニングパーツを供給するとは、なかなか珍しいことかもしれない。実は1970年代に提供されていた「ダイレクト・コネクション」というプログラムが復活するようだ。さらにダッジはデータの提供にもオープンなようで、ドラッグレース向けチューニング需要にもしっかり応える姿勢のようだ。

 また、「オペレーション25//8」というプロモーションも発表された。これは音楽、スポーツ、モータースポーツなどから自薦・他薦を問わず、8週間かけてブランド・アンバサダー25名選び、希望するダッジ車両をプレゼントするという太っ腹な企画。

 今回の経営計画でもっとも驚かされたのは「チーフ・ドーナッツ・メーカー(CDM)」を募集する、と発表したことだ。さすがにダッジがドーナッツ業界に殴り込み、というわけではない。この“ドーナッツ”はタイヤスモークをあげながら定常円旋回する様を指す。つまりタイヤスモークを上げて走るアンバサダーを任命する、という話。

 転職の必要はなく、レポートを提出する必要もなく、ただダッジが関わるレースやイベントに参加するだけとうたわれている。詳細は2022年1月22日に発表されるが、現段階でわかっていることはCDMには「ヘルキャット」1台、年収15万ドル(邦貨換算約1700万円)、ユニフォーム、そして名刺が支給される、ということ。

 いやはや、大胆なマーケティング活動には、ただただ感心させられる。裏を返せば、来るEV時代にダッジは危機感を覚えている、ということなのだろうか?

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