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VW新型「ゴルフTDI R-ライン」に試乗! 最新ディーゼルエンジンの進化ポイントとは

「ゴルフTDI R-ライン」の峠での実力はいかに

 試乗会場に到着した際には、すでに何台かがアイドリング中だったのだが、実はガソリンモデルかと思った個体が、試乗車だったのだ。たとえば、狭い道路を歩いている時、ちょっと古いドイツや北欧のディーゼルモデルが後方から横を追い抜いて行った時など、トラックだと思っていたら実は乗用車だった、という経験をお持ちの方がいるはず。

 しかし新型TDIはそんなことはなくかなり静か。ボディにはTDIとかDieselのロゴが一切なく、標準モデルとほとんど同じ意匠なので気が付く方も少なかろう。ただしボンネットを開けると、「ガラガラ」と音がしているので、間違いなくディーゼルだな、と確認できる。

8代目にフルモデルチェンジしたゴルフだが、どこから見てもゴルフと分かる上に時代に即したデザインはさすがだ
8代目にフルモデルチェンジしたゴルフだが、どこから見てもゴルフと分かる上に時代に即したデザインはさすがだ

●静かで滑らか、そして力強い

 試乗したのはTDIモデルの中ではトップグレードとなる「R-ライン」で、エクステリアカラーは最近流行りの「ムーンストーングレー」。タイヤはオプションの18インチを履いている。

 早速箱根の山道へ向けてスタート。ノーマルモデルのように48Vマイルドハイブリッドの助けがなくでも、1200−1300rpmあたりからズドーンとトルクが出てくるので、上り坂でもすぐにスピードが乗ってくる。

 しかも強くフラットなトルクが長く続くので、ギア1段あたりの守備範囲が広い、という感覚が味わえる。ガソリンモデルのように尖った感じはないけれども、平均して高い速度を保ったままワインディングを駆け抜けていける、というイメージだ。R-ライン仕様だったので専用シートのホールドがよく、スポーティな走りも得意なキャラクターに仕上がっているのだ。

 さすがに下り坂のコーナーなどでは鼻先の重さが伝わってきたり、パドルでシフトダウンしようと思っても高回転まで回らない(4500rpmあたりからレッドゾーン)のでそれをうけつけなかったり、というような面もあるけれども、まあそこは仕方のないところかも。

 逆に高速道路は大得意科目で、静かでどっしりと落ち着いた巡航ができ、キャラクターに合っている。ワンボタンのトラベルアシストの精度が高いので、どこまでも乗っていけそうだ。

 また、ガソリン価格高騰の中、軽油を使用するという経済性も見逃せない。ワインディング中心の走りでも13.3km/Lと表示されているので、期待はできる。

 TDI R-ラインの車両価格(消費税込)は408万8000円となかなかのものだが、TDI自体は344万4000円のアクティベーシックから4グレード展開している。

 コンソール周りの質感や、デジタルコックピットの使い勝手については、ノーマルモデルと変わらないので、新型ゴルフ全体のネガなポイントだ。さて、原稿を書いている時点で、韓国から飛び火したというアドブルー不足のニュースが飛び込んできた。ディーゼルエンジン車にとっては必要不可欠なものなので、ちょっと心配なところ。一時的なものであれば良いのだが。

●VOLKSWAGEN Golf TDI R-Line
フォルクスワーゲン ゴルフTDI R-ライン
・車両価格(消費税込):408万8000円
・全長:4295mm
・全幅:1790mm
・全高:1475mm
・ホイールベース:2620mm
・車両重量:1460kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
・排気量:1968cc
・エンジン配置:フロント横置き
・駆動方式:前輪駆動
・変速機:7速DSG
・最高出力:150ps/3000-4200rpm
・最大トルク:360Nm/1600-2750rpm
・0-100km/h:8.8秒
・最高速度:223km/h
・公称燃費(WLTC):20.0km/L
・燃料タンク容量:51L
・ラゲッジ容量:380−1237L
・サスペンション:(前)マクファーソンストラット式、(後)4リンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)225/45R17、(後)225/45R17

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