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ポルシェ「タイカン」と何が違う? 試乗して分かったアウディ新型「RS e-tronGT」が勝っている点とは

「タイカン」と同じプラットフォームを使った「RS e-tronGT」

 アウディのBEVフラッグシップとなる「RS e-tronGT」に、都内で試乗することができた。e-tronGTは、「J1」プラットフォームを採用していて、四輪を駆動する前後のふたつの強力なモーター、前後タイヤ間のフロア下の搭載した33個のバッテリーモジュールを使用した800Vシステムなど、同じVWグループのポルシェ「タイカン」と基本構成が同じということをご存知の方も多いと思う。

 電動車はどれに乗っても同じ味、という話はよく聞くけれども、やっぱりメーカーが違えば最終的な仕上がりに違いがでてくるはず。羽田空港を起点とした試乗会に参加し、約1年前に乗ったタイカンを思い出しながら都内を走ってみた。

アウディのスポーツモデルである「RS」にラインナップされたBEVモデル「RS e-tronGT」
アウディのスポーツモデルである「RS」にラインナップされたBEVモデル「RS e-tronGT」

●サイズはタイカンと同じだけれど

 RS e-tronGTのボディサイズは、全長4990mm、全幅1965mm、全高1395mm。タイカンより27mm長く、1mm狭く、16mm高く、2900mmのホイールベースは共通というそのスタイルは、相当に低くてワイド。

 タイカンが、ポルシェ車らしい左右の盛り上がったフェンダーなど、「911」を想起させるデザインを取り入れているのに対して、こちらは「RS7スポーツバック」をシェイプアップしたようなデザインになっていて、それぞれの個性がはっきりと具現化されている。

 鮮やかなレッドの試乗車のフロント部は、アウディの象徴となるシングルフレームグリル全体がブラックに塗装されていて、まるでマスクをかけているようなデザインに。フォーリングスもブラックに塗装されている。

 ボディサイドは、往年のクワトロレーシングモデルを彷彿させる大きなブリスターフェンダーによって幅広感をさらに強調し、空気抵抗を考慮したデザインの21インチホイールが特別なBEVモデルであることを主張している。これに取り付けられるグッドイヤー製のイーグルF1タイヤには、電気自動車用の「ELECTRIC DRIVE TECNOLOGY」の文字が刻印されている。リアにもブラックのフォーリングスとRS、e-tronのロゴが取り付けられている。

 ドライバーを包み込むようなモノポストデザインを採用したインテリアは、ブラックのスポーツレザーシートにレッドのステッチがハニカム状に入っていて、スポーティな雰囲気だ。後席の足元は、バッテリーの搭載方法を工夫した“フットガレージ”と呼ぶ一段低い床面を実現していて、低いルーフでも余裕で座ることができる十分な居住性を確保している。フロント81リッターと、リア350リッターのラゲッジスペースは、タイカンと変わらない。

 操作面で異なっているのは、液晶パネルによる動作に重点を置いたタイカンに対して、RS e-tronGTは物理スイッチの数が多い点で、従来車から乗り換えた時の違和感はこちらの方が少ない。

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