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「日本に正規導入して欲しいミニバン第1位」VW新型「マルチバン」は650万円から欧州で発売開始

日本への正規導入を切望されつつ並行輸入しかされない「マルチバン」の欧州でのプライスは?

 VWコマーシャル・ヴィークル(商用車)社から、新世代の「マルチバン」が英国で発表された。新型マルチバンは、その斬新なデザインと実用性の高いキャビン、インターネットによる外部との接続性や高度な安全技術、そしてPHEVモデルもラインナップされる。

 トリムタイプは「LIfe」、「Style」、「Energetic」の3タイプ。車両価格は「1.5 TSI LIfe」の4万3150ポンド(邦貨換算約650万円)から「1.4TSI eHybridロングホイールベース」の6万865ボンド(邦貨換算約915万円)となっている。英国でのオーダーは2022年1月に始まり、デリバリーは3月末にはスタートする予定だ。

日本にも導入してもらいたい「マルチバン」は、およそ650万円から
日本にも導入してもらいたい「マルチバン」は、およそ650万円から

●控えめなデザインがむしろ新しい!

 このマルチバンのプラットフォームは、フレキシブルタイプのMQBだ。牽引能力は最大で2000kgというから、モーターホームの牽引など、さまざまな用途に使用することが可能だ。

 シートアレンジは2シーターから7シーターまで変更することが可能で、後部の5席はカラベルの時代と比較して25%も軽量化されている。また2列目シートは180度回転して、3列目と対面型とすることもできる。

 ラゲッジルームの積載能力を見てみよう。マルチバンにはスタンダードとロングの2タイプのボディが設定されるが、ロングボディならば3列目シートの後方に469リッター、2列目を収納すれば1844リッター(パノラマルーフ装着車は1850リッター)、前席までのフルカーゴ容量はスタンダードボディで3672リッター、ロングボディでは4053リッターとなっている。

 パワーユニットは3タイプが用意されている。その中でもとくに注目されるのは、150ps仕様の1.4L TSI直列4気筒エンジンと114psのエレクトリック・モーターを組み合わせ、システムの合計では218psの最高出力を得るPHEVのeHybrid仕様だ。これに6速DSGを組み合わせ、サイレントなゼロエミッション走行を実現する。

 二次電池はリチウムイオンバッテリーで容量は13kWh。マルチバンのフラットな床の下に搭載され、車両の重心を下げてハンドリングを向上させる効果も発揮している。

 ほかにはいずれもTSIの1.5リッター/136psと2リッター/204psが7速DSGとの組み合わせで設定されており、カスタマーは自分の用途に合わせて好みのサイズ、そしてパワートレインを選択できる。

 コックピットまわりも、さらに機能的に、そして使い勝手よく再設計された。多機能のステアリングホイールやフリーフローティングダッシュボード、シフトバイワイヤーのDSGコントロールなどは、その代表的なところ。ほかにもこのマルチバンには安全性や快適性などを高めるための運転支援システムが25以上も搭載されているという。

 価格は前述のとおり約650万円からとなるが、エントリーレベルのモデルでも16インチのアルミホイールや7つのシート、パワーラッチ付きの左右ふたつのスライドドア、デジタルコックピットと10インチのインフォメーションシステム、フロントアシストとレーンアシスト等々は標準装備。

「Energetic」とネーミングされたデビュー記念の特別仕様車はPHEV仕様のみの設定となるが、こちらはHarmon Kardonサウンドシステム、プライバシーガラス、18インチのアルミホイール、パノラマガラスルーフが含まれたロングモデルとなり、車両価格は5万9515ポンド(邦貨換算約894万円)と、バリューある値付けがされている。

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 VWコマーシャル・ヴィークルのモデルは、日本ではなかなか馴染みが薄いが、このマルチバンのような最新作が上陸を果たせば、人気を呼ぶのは間違いないだろう。グリルが大きくオラオラ顔の国産ミニバンはちょっと……というアクティブ派のユーザーには、きっと受け入れられると思うのだが。

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