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「マセラティやベントレーにランクルが行方不明!?」APEC首脳会議のために購入した高級車は何処に?

高級車採用は、国のメンツを保つため?

 よほど外交に興味を持っていないかぎり、2018年にAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議がパプアニューギニアで開催された、なんてことは記憶にないだろう。もう3年も昔の話なのに、なぜ今さらその話題に……と思われる方もいるかと思うが、実は当時用いられた送迎車両について信じられない話が持ち上がっているのだ。

 APECは1989年に閣僚会議としてスタートしたのが、その始まり。1993年からは首脳会議もおこなわれ、現在ではアジア太平洋地域の21の国と地域(エコノミー)が参加する経済協力の枠組みとなっている。アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄に向けて、貿易・投資の自由化・円滑化や地域経済統合の推進、経済・技術協力等の活動を実施することが主目的である。

 一般市民にとって「外交」は縁遠い言葉かもしれないが、多くの場面において国と国との面子の張り合いの世界である、と耳にする。ましてや各国の首脳が集う国際会議のホスト国となれば、参加者の安全確保は大前提ながら、諸外国に“ナメ”られないように頑張ってしまいがち。

 そこでパプアニューギニアは……、なんとAPECのVIP送迎車両としてマセラティ「クアトロポルテ」40台、ベントレー「フライングスパー」3台を新たに調達したのだ。高級車で送迎したほうが参加者から印象が良い、というのは“接待”的側面から理解できなくもない。

 ちなみに、いずれの自動車メーカーもパプアニューギニアには正規ディーラーは存在していない。

  • 倉庫で放置されていたため、ホコリを被っている大量のマセラティ「クアトロポルテ」(C)Loop PNG(YouTube)

 ベントレーをどこから購入したのかは定かではないが、マセラティはスリランカの正規ディーラーから購入されたという。そして、高級車を購入することに反発した国民に対して、これら高級車はAPEC終了後に払い下げられる、と発表していた。しかし、いざ、蓋を開けてみると、実際に買い手がついたのはマセラティ2台とベントレー1台に過ぎなかった。

●行方不明の車両は284台!

 マセラティやベントレーといった高級車ブランドに注目しがちだが、実はそのほかトヨタ「ランドクルーザー」、フォード(車種不明)やマツダ(車種不明)が購入され、なんと合計284台もの車両が行方不明(!)になっている、とのこと。そしてマセラティも本当は行方不明なのではないかという国民の声を払拭するために、パプアニューギニア政府は車庫をマスコミに公開する始末となった。

 日本はパプアニューギニアでのAPEC開催に際し、1300万キーナ(約4億2000万円)の支援をおこない、そこから23台のマイクロバス、23台のミニバン、22台の救急車が購入されたという。しかし、それらの車両が今も正当に活用されているのか否か、我々に知る由はない。

 なお、APEC2018に参加した当時の安倍首相、マセラティやベントレーではなく、在パプアニューギニア日本大使の車両と思しきランドクルーザーで送迎されていた。赤いナンバープレートに「DC(Diplomatic Corps)」の文字が刻印されているのは、外交官ナンバーという意味。一方、この手の外交面でもっとも面子を重んじがちな中国は、自国から紅旗を持ち込んでいた。ちなみに、ナンバープレートはなかった。

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