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およそ2億6000万円の「GT-R NFT」とは? 実車がオマケという次世代NFTアート市場に注目です

コピーできるデジタル作品でもNFTで希少性を保てる

 2021年3月、老舗オークションハウス「クリスティーズ」でデジタルアート作家であるBeeple(ビープル)のNFT作品『5000 Days』が6934万ドル(約79億円)で落札された。これは存命するアーティストのなかで最高落札額が歴代第3位という記録となった。BeepleはInstagram上で200万人のフォロワーを持つ人気のデジタルアーティスト。とはいえ、この高額な落札価格はNFT作品の盛り上がりを世間にいっきに知らしめる事例となった。

 そもそもNFTとは“Non-Fungible Token(非代替性トークン)”の略で、暗号通貨を支える技術の根本であるブロックチェーン技術を活用したもの。ブロックチェーンとは「取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術」とされている。通信上で実施された取引の記録を「ブロック」に記録し各ユーザーが共有する形で管理する。

 つまり各ユーザーがすべての取引履歴を共有しているため、ひとりがデータを編集したとしても簡単に不正を見つけることができるため、改ざんがほぼ不可能、というわけだ。

 そして、NFTとはブロックチェーン上に所有者情報、作者情報、シリアル番号などを記録することで固有の価値を持たせた非代替性のデジタルトークンのことであり、新たな売買市場やビジネスを創出する技術として注目されている。

 コピーが容易なデジタル作品を唯一無二の本物と証明できるようになり、転売などの取引履歴もたどることができるといわれている。最近ではバスケットボールやサッカーなどの試合映像をNFT化したり、ゲーム内のアバターをNFT化したり、トレーディングカードをNFT化したりと、様々なことがNFT化され、取引が活発化してきている。

 そんなNFT市場の拡大を受けてか、日産カナダが地元アーティスト、アレックス・マクロードとコラボして「GT-R ニスモ」をNFT化しオークションに出品した。なんでもGT-Rニスモ・スペシャルエディションのカナダ市場導入にあわせてひとつだけの「GT-R NFT」を販売、という触れ込みだった。

  • RubiX Network に出品された、GT-Rニスモの3DCGを用いたNFT作品(C)RUBIX

●実車以上に高額な価値が付けられた!

 GT-R NFTの題材となったGT-Rニスモ・スペシャルエディションは旧型モデルにあたる、日産「スカイラインGT-R VスペックII N1(R34型)」にインスパイアされたカーボンボンネットを装着したほか、内装には「ステルス・グレー」という特別色をあしらったモデル。そのGT-Rニスモを3Dレンダリングで緻密に立体化し、独創的な色と反射によって幻想的なルックスに仕上げている。

 NFTという今のバズワード、そして暗号通貨長者たちの存在を意識しての取り組みだったのだろう。ただ、いくらGT-Rニスモとはいえ、そんなNFTが果たして売れるのか筆者は興味津々で見守っていた。

 完成したGT-RニスモのNFTは、「RubiX Network」というNFTマーケットにてオークションに出品。最低落札価格は28万カナダドルに設定され、落札者はGT-RニスモのNFTだけでなく、実車である「GT-R ニスモ・スペシャルエディション(カナダ仕様)」を同時に手にすることができるというものだった。また、最低落札価格を上回った金額は、慈善団体に寄付するとも発表されていた。

 マクロード氏へのGT-R NFTの制作代金の詳細は不明だが、最低落札価格で車両代金をカバーできる。あわよくば数億円で落札されて世界的にバズらせたうえに、社会貢献にも一役買えるという日産カナダ側の意図は見て取ることができる。

 2021年10月7日(カナダ時間)に入札を締め切ったのだが最終落札金額は、285万カナダドル(邦貨換算約2億5700万円)に達した。なんと最低落札価格の10倍もの値段が付けられたのだ。

 2022年モデルのGT-Rニスモ・スペシャルエディションの日本での新車価格が2464万円なので、単純にデジタルアート版のGT-RニスモのNFTに付けられたプライスは2億円以上ということになる。

 昨今の流行りをいち早く取り入れた日産カナダのチャレンジ精神だけでなく、この輝かしい落札価格にも拍手を送りたい。

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