800万円超&全長5mなのになぜ若いファミリーに人気? ボルボのフラッグシップSUV「XC90」の個性とは

日本だけでなく世界中で右肩上がりに成長しているブランドがボルボだ。「XC90」は、全長5m近い大型フラッグシップSUVなのに、日本での購買層はボルボ・ラインナップのなかでもとくに若いファミリー層に人気だという。新たに登場した特別仕様車、XC90 D5 AWD R-Designに試乗して、その理由を考えた。

ライバルひしめくEセグメントSUVのなかで独特な立ち位置のXC90

 通常の5倍から6倍といわれる約1兆3000億円(当時)という開発費をかけ、第二世代の「XC90」をつくり、日本に登場させたのは2016年だった。

 XC90に採用したSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)と呼ぶ新しいプラットフォームは、ドライバーの足元から前軸までの距離はフィックスされるが、ホイールベースやオーバーハングなどは車種に応じて自由に変更できるものだ。

ボルボ「XC90 D5 AWD R-DESIGN」。専用フロントグリルやバンパー、専用の22インチアルミホイールでスポーティな雰囲気

 単に応用範囲が広いというだけでなく、ものすごくしっかりしたプラットフォームができあがったので、重量級のXC90でもハンドリング性能と快適性を両立できるものになった。

 その後は2017年に「V90」「V90クロスカントリー」「XC60」が、2018年には「XC40」「V60」が、2019年も「V60クロスカントリー」「S60」と、新しい考え方でできあがったボルボモデルが続々と登場した。

 新世代ボルボの出来の良さは誰が乗ってもすぐにわかる。だから実際の販売台数にも反映された。

 グローバルでは約50万台(2015年)だったものが約70万台(2019年)になり、日本市場でも1万3493台(2015年)から1万8564台(2019年)と、これまでにない飛躍的な伸びを示した。

 プラットフォームからくる正確なハンドリングや安定性、乗り心地と静粛性などの快適性といった走りの良さだけでなく、エクステリアやインテリアも母国スウェーデンのスカンジナビアンテイストを感じさせるデザインや材質にこだわってつくり上げられたところも、多くのユーザーの共感を得たのだろう。

 こうして軌道に乗ったボルボのプロダクトは2周目に入った。つまりXC90のマイナーチェンジの時期になったのだ。

 XC90は、Eセグメントに属する大型のSUVである。直接的なライバルはアウディ「Q7」「Q8」、メルセデス・ベンツ「GLE」、BMW「X5」「X6」ポルシェ「カイエン」、ランドローバー「レンジローバー・ヴェラール」などで、販売台数の上でも良い争いをしている。

 ドイツ4ブランドとイギリス1ブランドのなかにあって、XC90は性能的にも引けをとっていないし、とくにインテリアは華美でなく清楚ななかにもラグジュアリーを感じさせて個性を発揮している。

 昨年の日本でのデータを見ると、もっと多いのはレクサス「RX」で9561台。このEセグメントのSUVクラスでは断トツの地位にある。これは販売店とセールスマンの数の違いだから超えるのは難しい。輸入車ではメルセデス・ベンツ「Gクラス」が3340台。XC90を含め、他のモデルはだいたい1000台前後の販売実績となる。

 それでもライバルが多いということは、それぞれが切磋琢磨するから良いものが揃う。XC90も昔からのボルボの徹底的な安全性に対する取り組みなども含めて、気に入るとボルボワールドから抜けられなくなるだろう。

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