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「豪華クルーザーに続いてプライベートプレーンも!?」どうしてレクサスが新生エアレースに挑戦するのか?

レッドブル・エアレースのチャンピオン室屋義秀選手をレクサスがサポート

 世界中のファンが待ち望んでいたエアレースがいよいよ2022年から新しい体制になり、エアレース・ワールドチャンピオンシップとなってスタートする。そして日本人パイロット室屋義秀選手が、このレースにフル参戦することが発表された。

 室屋選手は、2017年レッドブル・エアレースのチャンピオンだ。機体、パイロット共に上位を狙うポテンシャルを持っているのだが、次のレースでは更にチーム全体のポテンシャルが引き上げられており、世界の強豪がひしめくこの戦いでもトップクラスの強さを秘めている。

  • 2022年から、レクサスと室屋義秀選手の新たなチャレンジが始まる(C)Lexus Pathfinder Air Racing/Yusuke Kashiwazaki

 12年間続いたレッドブル・エアレースは2019年に終了。新しい体制とスポンサーのもと、エアレースを再開しようという活動が続けられていた。コロナの影響で遅れていたが、2022年からスタートすることが正式に決定したのである。

 トップカテゴリーのエリートXR/1には12名のパイロットが参戦。新しいパイロット達のトレーニングキャンプはすでに開始されている。

 基本的なレースフォーマットはレッドブル・エアレースを踏襲しつつ、中継方式にバーチャルリアリティや拡張現実グラフィックスを組み合わせるなど、これまでにないエアレースを体験できる工夫がなされている。また複数のパイロットがル・マン式で戦うエアロSR/2など新しいトライもおこなわれる予定だ。

 室屋選手は今回からチームパートナーのレクサス、パイロットパーソナルトレーナーのブライトリングと共に「レクサス・パスファインダーエアレーシング」よりレースにエントリーする。

 ライバルチームに対して最大の武器となっているのはレクサスとのパートナーシップだ。実をいえばレクサスの協力を得たレース活動は以前からおこなわれていた。2017年にはシミュレーションによる解析でタイムアップにつながるターン方法が生み出され、チャンピオン獲得に貢献している。次のレースではこのようなレクサスの高い解析技術とレースマネージメントを積極的に活用していくだけでなく、技術アドバイザーとマネージメントをおこなうスタッフがレクサスから同行するなど、より強固な体制でレースを戦うのである。

「理想像を描き、レクサスの協力を得てチーム力を高めるなど準備をしてきました。技術的なところでは他のチームをリードしていることになると思います。これからは常勝チームを目指していきたいと考えています」と、室屋選手は意気込みを伝えてくれた。

  • レクサスインターナショナル・プレジデントの佐藤恒治氏と室屋義秀選手(C)Lexus Pathfinder Air Racing/Suguru Saito

●エアレースから得た知見をクルマづくりに

 一方レクサスでは、エアレースから得られた情報をクルマ作りに生かしていく。レクサスインターナショナル、プレジデントの佐藤恒治氏は次のようにエアレースから得られる意義を語る。

「クルマと飛行機ではバックグラウンドが異なるため、技術交流のもたらす意義は大きいんです。空力、冷却、軽量化、人間工学など航空機の技術を取り入れていきます。仮にレクサス1台のcd値を0.001向上させることができれば、レクサスすべてで年間2万4000トンのCO2を削減出来ます」

 エアレースを通じてモータースポーツの魅力を伝えていくだけでなく、サスティナブルな面も含めて様々な点が期待されているのである。

 2022年になると詳細なレースカレンダーが発表されるが、現在のところ開催国として予定されているのはギリシャ、ポルトガル、イギリス、ロシア、インドネシア、エジプト、中東など。2022年の開催国として日本は入っていないが、レースを統括するウイリー・クルークシャンクは今後日本での開催も検討したいということだった。

 近い将来にはジェットパック(噴射ユニットを背負うように着用する飛行機具)によるレースやネットゼロ・カーボン燃料への切り替え、電動垂直離着陸機の導入を目指して開発を進めていくなど、エアレースワールドチャンピオンシップには、世界最高峰のモータースポーツに相応しいチャレンジがおこなわれる。室屋選手の活躍だけでなく、エアレースがどのように進化していくのかも含めて注目していきたい。

Gallery【画像】エアレースでサステナブルなクルマづくり(10枚)

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