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ヤングタイマーなメルセデス「Eクラス」泥沼生活再スタート「ワゴンからセダンへ乗り換える」【W124日誌】

ヤングタイマーと暮らす日々「メルセデスW124の魅力」

 皆さんは、メルセデス・ベンツの「W124」をご存知だろうか。今から40年近く前の1980年代前半に設計された、同社のミディアムクラス、今でいう「Eクラス」にあたる車格のクルマである。

 自動車ライターである筆者は2013年4月にW124のステーションワゴン版である「S124」(1995年式、走行7万7500km)を中古で購入し、毎年1万km平均を走り続けて順調に走行距離を伸ばしていたのだが、今年になって突如セダン版のW124へ乗り換えを決意し、購入することに。

 純然たる「ヴィンテージカー」とか「クラシックカー」と呼ぶには少し新しすぎる、ちょっとだけ旧いこの時期のクルマは「ヤングタイマー」と呼ばれて今巷で人気が出てきているようだが、そんなW124を維持していると、どんなことが起きるのか。燃費は? 維持費は? 修理代は? などなど、いろんな疑問にお応えするべく連載を開始させていただくことになった。

  • 取材で訪れた信州・八ヶ岳の南麓に、端正な姿でたたずむ1993年式W124の280Eセダン

●W124の歴史を軽く紐解いてみましょう

「最善か無か」──。メルセデス・ベンツ(当時はダイムラー・ベンツ)の創始者であるカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーがクルマ造りの指標として掲げ、同社の企業スローガンとして現在まで語り継がれてきた言葉であるというのはあまりにも有名な事実である。そして、数ある同社のモデル群のなかで、もっともそれを具現化した形で世に送り出されたのがW124である、ということも(諸説あるとは思いますが……)。

 メルセデスW124は、「世界最高の実用車」と呼ばれた“コンパクトクラス”のW123の後継車として、オーバークオリティといわれるほどの安全性と走行性能を備えて1985年に本国デビュー。W123の派生としては直前の1983年にさらに小型のW201型(190E)が登場していたことから、少し大きなW124は“ミディアムクラス”と呼ばれることになり、日本では1986年から販売が開始されている。

 10年間という長いW124のモデルライフのなかでは数々の改良がなされてきており、エクステリアや機能、パワートレインなどの違いによって前期型(1986−1989年)、中期型(1990−1992年)、中後期(1993年)、後期型(1994−1995年)の4つに識別することができる。

 前期型は、ボディを取り巻く黒い樹脂製モールと15穴アルミホイールを備えたエクステリアが特徴で、パワートレインは2.3リッター直4(230E)、2.6リッター直6(260E)、3.0リッター直6(300E)のSOHCガソリンと、3.0リッター直6ターボディーゼル(300D)の4種。ボディはセダンとステーションワゴン(TE)、2ドアクーペ(CE)という組み合わせだった。

 最初のマイナーチェンジで中期型となった124の特徴といえば、ボディサイドの下半分を覆う樹脂製のプロテクションパネルを装着したこと。同社のデザイン部門を担っていたブルーノ・サッコ氏の名前からとった、あの有名な「サッコ・パネル」がそれだ。

 エンジンは3.0リッターを24バルブ化した「300E-24」のほか、1992年には4.2リッターV8の「400E」と、ポルシェと共同開発した5.0リッター V8を搭載したモンスターセダン「500E」が登場した。

 1993年には2度目のマイナーチェンジがおこなわれ、各モデルのエンジンをDOHC化してパワーアップを図っている。ホイールデザインを15穴から8穴タイプに変更したものの、ボディは中期型のままということから、中後期型と呼ばれることになっている。2.2リッター直4DOHCを搭載した「220E」、2.8リッター直6 DOHCの「280E」、3.2リッター直6DOHCの「320E」が登場している。

 1994年からの後期型ではエクステリアデザインを大幅にチェンジ。フロントグリルのデザイン変更によって顔つきが大きく変わったほか、バンパーがボディ同色になったり、またウインカーレンズをクリアタイプに変更したりと、全体的にスマートなスタイルになった。名称もミディアムクラスから、Eクラスへと変更。排気量を示す数字の後にEがついていたそれまでとは正反対で、Eの後にその数字が続いて入る形になった(280E→E280)。

 CやTEという符号で示していたボディ形状も、クーペ、ステーションワゴンと呼ばれることに。前席左右にエアバッグを標準装備することで安全性は高まったものの、この時期同社の経営状態が悪化した影響を受け、後期モデルでは各部にコストダウンの跡が見られるというのは、噂なのか本当なのか定かではないところ。ただ、「最善か無か」という言葉がキチンと反映されているのは124の1993年モデルまで、といわれることもあるようだ。

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