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「ミリタリー仕様に注目」純英国産に戻った「ミニ・モーク」のエンジンモデルは早い者勝ち!?

純イギリス製の歴史をリスペクトした1台

「ミニ・モーク」はミニをベースに、ミニの生みの親でもあるアレック・イシゴニスによって設計され、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)が1964年から製造、販売した多目的車両だ。車名の「ミニ」はベースとなっているミニを、「モーク」はロバを表していた。

 当初、モークはイギリスにおける軍用車両市場を牛耳っていたランドローバーのマーケットシェアを奪うため開発に着手された。そして、パラシュート降下可能な軍用車として公開されたミニ・モークだが、実際は着地に耐えうる最低地上高を備えていなかったり、エンジンが非力など、要求されていた基準をそもそも満たしておらず不採用となってしまった。

 しかし、モークは農家や商用利用としてのポテンシャルが高い、ということで市販にこぎつけ「オースティン」、「モーリス」、「レイランド」ブランドからも販売された。イギリスでは連続テレビドラマにミニ・モークが登場し、一躍お茶の間の人気を博した。

 イギリス以外ではポルトガル、オーストラリア、マレーシア、南アフリカで生産されるほど、グローバルに展開したクルマでもあった。コンパクトで可愛らしく、ドアがなく開放的で、非日常を味わえるクルマとあって、旅先でのレンタカー、ビーチバギーとしての需要も高かった。

 イタリアではバイクメーカーのカジバが意匠権を購入し、1993年までモークの生産をおこなっていたこともある。その後、しばらくは鳴りを潜めていたモークだが2015年には意匠権、商標権、世界流通権を手にしたイギリスのメーカー「モーク・インターナショナル」によって復活を遂げた。

  • 現代に復刻したミニ・モーク。グリルやバンパー、ボディーカラーなどそれぞれ14色からカスタマイズ可能だ(C)Moke International

●エンジン搭載モデルを手に入れるならいま!

 新生モークはオリジナルのモークよりも、衝突安全性や快適性を確保するために若干大きくなっている。排気量1083ccの直列4気筒エンジンはキャブレターではなく、インジェクター方式となり“近代化”。ユーロ4の排ガス規制を満たす、という。2017年から生産しているが、最終組み立てはフランスでおこなわれていた。

 パワーステアリングを標準装備し、トランスミッションはAT/MTから選択可能。最高出力68psで、最高速度は110km/hに達するそうだ。たった110km/hと思うなかれ。モークのオープン具合、運転席と路面との距離感を考えると、相当にスリリングなはずだ。

 グローバル化やボーダーレスが叫ばれて久しいが、面白いもので人間は思いのほか“産地”へのこだわりは強いままのようだ。イギリスの会社であるモーク・インターナショナルは、”ようやく完全イギリス生産に!”と華々しくプレスリリースを出して、モークが英国産に戻ったことを喧伝している。

 イギリスに6拠点の生産組立工場を構え、現在、ジャガー・ランドローバーやモーガンの受託生産もおこなっている「ファブリンク・グループ」という会社がモークの生産を受託。車両価格は2万ポンドからと決して安くはないが、今の時代、これほど個性的なクルマもないだろう。なお、ミニ・モークがなしえなかった、軍用仕様車(あくまでもペイントだが)の設定もあるようだ。

 しかし、このミニ・モークが、エンジン搭載モデルの生産を中止し、2022年1月からEV仕様となる「eMOKE」のみの生産に切り替えるとアナウンスした。もし、エンジン搭載モデルの純英国産ミニ・モークを欲しい人がいるなら、新車で手に入れる最後のチャンスだ。

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