「ブロンコ」デザートレース仕様は3000万円弱! 足回りのヒミツとは
「ブロンコ」のレース仕様の走りのヒミツは「脚」にあった
2021年11月1日、フォードはオフロードレーシングカー「ブロンコDR」を発表した。このアグレッシブなマシンは、市販される予定となっている。
フォードのブロンコは、7月に24年ぶりとなる新型モデルが発表されたばかりだ。初代モデルは1966年に発売され、1996年の生産終了までに5代のモデルが開発されてきた。
今回発表されたブロンコDRは、6代目となる新型モデルをベースとしたもので、車名の「DR」は「デザートレース」を意味している。
●半端ないストローク量
ベースとなったのは新型ブロンコだが、このブロンコDRには、デザートレースに対応した装備が満載されている。なかでもVAGUEが注目したのは、このブロンコDRの開発と製造、販売を担当している「アメリカ・マルチマティック社」が開発した専用品となるDSSVダンパーだ。
マルチマティック・ポジショナル・セレクティブDSSVダンパーは、直径80mmという大径シェルケースを持っており、バルブ出口にはフィン付きのフルードリターンを配置。
これによってハードな動きによるダンパーオイルの過熱を防止できるほか、ダンパーごとに5つ設けられているスプールバルブによって、バンプ側はピストンスピードごとに3ゾーン、リバウンド側は2ゾーンでの減衰力をコントロールしている。
また、コイルオーバーサスペンションに加えて、並列に配置したプライマリーモノチューブDSSVダンパーも装備することで、激しい動きに対応している。このサスペンションのフロントのストローク量は265mm、リアストロークは425mmを確保している。
ボディ剛性は、広範な解析シミュレーションによるシャシフレームの最適化と、ロールケージによって確保されている。ロールケージはSCORE準拠のもので、もちろんそのままでデザートレースへの出場が可能だ。
* * *
ちなみに、アメリカ・フォックスニュースによると、ブロンコDRに搭載されているエンジンはV型8気筒とのこと。出力は400ps、排気量は5.0リッターだ。
ブロンコDRの販売価格は、同じくフォックスニュースによると、25万ドル程度(邦貨換算約2850万円)。2022年シーズンのレースデビューが予定されているという。