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「デロリアン」とポルシェ「タイカン」が夢の共演! 2台をつないだ「1.21ジゴワット」とは?

VWグループのバックアップする充電ネットワークが、映画の世界を凌駕した

 2021年「10月21日」、ポルシェAG本社から、ユーモアとウィットを巧みに織り込んだプレスリリースが全世界に配信された。

 その内容は、アメリカの「エレクトリファイ・アメリカ(Electrify America)」と、ヨーロッパの「イオニティ(Ionity)」という、ポルシェ初のBEV「タイカン」にとっては頼みの綱となる、電気自動車用DC急速充電ネットワーク2社を合わせた供給可能電力が「1.21ギガワット」を初めて超えたというものである。

 しかし、これは単なるニュースリリースではない。「10月21日」という日付、そして「1.21ギガワット」という数値がさらりと記入されているが、これは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のファンにとっては、とても重要な文言なのだ。

  • 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで登場する、「デロリアン」型タイムマシン

●「ジゴワット」改め「ギガワット」

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを第一作から追いかけている熱心なファンならば、きっと「1.21ジゴワット」という謎の数字をご記憶のことだろう。

 実は筆者自身もこのリリースを読むまで「ジゴワット」は架空の単位かと思い込んでいたのだが、本当は当時の映画制作スタッフの事実誤認による言い間違いを、映画字幕翻訳の大家、戸田奈津子さんがそのまま日本語字幕として聞き書きしてしまったことによって生まれた表記とのことで、正しくは現在では一般化している表記の「ギガワット」となる。

 そして今回のリリースは、「某国のテロリストから奪ったプルトニウム」や「時計台を破壊してしまう雷」の助けを借りることなく、「デロリアン」型タイムマシンにタイムトラベルをおこなわせることのできる電力「1.21ギガワット」に到達したこと、つまり、アメリカ合衆国とヨーロッパ大陸で最大のDC高速充電ネットワークが急速に拡大していることをアピールするものとなっていた。

 現在、フォルクスワーゲン・グループ主導で展開している「エレクトリファイ・アメリカ」は670拠点。いっぽうBMWグループ、ダイムラーAG、欧州フォード、そしてフォルクスワーゲン・グループのコラボ事業としてヨーロッパで展開される「イオニティ」は372拠点まで広がっており、急速充電器は総計4800機以上にのぼる。そしてこのネットワークの拡充によって、ポルシェ・タイカンの充電はよりスピーディかつイージーになったという。

 ポルシェ・タイカンは、800Vのバッテリーアーキテクチャと270kWの充電速度により、22分間の急速充電でも5%から80%のチャージが可能。充電時間が短縮された分、移動のために時間をかけられるようになったとのことである。

 さらに充電の利便性については、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』でデロリアンに取り付けられていた、生ゴミから強大な電力を生成するポータブル発電機「Mr. Fusion」に次いで第2位にランクインすると主張しているのだ。

 米国およびカナダにおけるタイカンのオーナーには、各拠点における充電料金の最初の30分が無料になる権利が、正式な登録後3年間にわたって付与されるという。

 そしてタイカンのドライバーは、映画のように電力の供給源を探す必要も、身体を張ってコネクターを結合させる必要もない、とのことなのである。

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