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「フェラーリ512BB」と「ポルシェ911T」が峠を疾走!! EDMキングのカルヴィン・ハリスが自らドライブ【MVの名車】

ふたりがハンドルを握るのは、自動車史に残る名車

「We’ll Be Coming Back ft. Example」に登場するクルマはフェラーリ「512BB」とポルシェ「911T」の2台だ。

 512BBは1973年に登場した「365GT4-BB」のアップグレードモデルで、1976年に登場。365GT4-BBから排気量が600cc拡大された、4943ccエンジンを運転席後方に搭載する縦置きミッドシップ。車名の512は“5リッター12気筒”を意味する。

 BBは“ベルリネッタ・ボクサー”の略だが、搭載されるエンジンは水平対向ではなく180度V型12気筒になる。最高出力は360ps、最大トルクは451Nmに達した。

 512BBは1981年まで生産され、後継モデルとしてマイナーチェンジ版の「512BBi」が登場。その後は「テスタロッサ」(1984年)、「512TR」(1991年)へと進化していく。

 一方の911Tは1967年に発売されたモデル。「356」の後継モデルとして1964年に登場した901型911のエントリーモデルで、911のパワーを抑えた「912」の需要を引き継いでいた。空冷の2リッター水平対向6気筒をリアに搭載するRR方式を採用。デビュー時の最高出力は110psだったが、後に130psまで高められた。

 911Tでコストダウンが図られたのは911の裾野を広げるだけでなく、レースのベース車両にするという側面もあったといわれている。実際、当時のツーリングカーレースでは、911Tがベース車両として選ばれるケースが多かったそうだ。

  • 赤いポルシェ「911T」とExample。「911T」は1973年のFシリーズまでラインナップされていた(C)Youtube(Calvin Harris)

●カルヴィン・ハリスがフェラーリをドライブ

 そんな2台のスーパーカーが登場する「We’ll Be Coming Back ft. Example」。ミュージックビデオの中ではCalvin Harrisが黒の512BB、Exampleが赤い911Tのステアリングを握っている。

 ふたりは目出し帽を被り、夜中に何かを強奪。だが、クルマまで戻ったところでヤマハ「YZF-R1」にまたがった女性警官に見つかり、ここから512BB、911T、そしてYZF-R1とのカーチェイスがスタートする。

 ふたりは強奪したものを峠の空き地に埋めるが、それは女性警官に掘り出されてしまう。

「We’ll Be Coming Back」(俺たちは戻ってくるさ)。そんなメッセージを爽快感のあるカーチェイスムービーで表現したこの楽曲は、EDMにあまり馴染みがない人でも楽しめるはずだ。

 EDM界で頂点に立ち、“キング”とも称されるCalvin Harrisだが、ここ数年はEDMの枠を超えた活動を展開している。2016年にはアメリカ・カリフォルニア州で開催されるコーチェラ・フェスティバル、2017年には日本のサマーソニックに出演。単独のDJとして初のヘッドライナーを務めた。どちらもロック色が強いフェスなだけにこのブッキングには驚かされた。

 そしてDua Lipa(デュア・リパ)とコラボして2018年4月にリリースした「One Kiss」はハウス色の強いサウンド。2019年にはソウルシンガーのRag’n’Bone Man(ラグ・アンド・ボーン・マン)とのコラボレーションも果たしている。

 2020年1月には、新プロジェクトとなるLove Regeneratorを始動。アシッドテクノやデトロイトテクノなど、90年代のアンダーグラウンドシーンのエッセンスを巧みに取り入れた現場感のある楽曲をリリース。

 王道のサウンドとともにカーチェイスシーンを楽しめる「We’ll Be Coming Back ft. Example」のミュージックビデオは貴重な存在といえるかもしれない。

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