VAGUE(ヴァーグ)

カギを握るのは「アプリ」? BALMUDAのスマホ業界参入は市場に何をもたらすのか

「世界」を見据えたバルミューダのスマホ戦略

 2010年発売の「The GreenFan」でDC扇風機ブーム、2015年発売の「BALMUDA The Toaster」で高級トースターブームの先駆けとなったバルミューダが、2021年11月以降に携帯端末事業(5Gスマートフォン開発及び販売)へ参入すると発表した。京セラが端末の製造を担当し、国内通信事業者としてはソフトバンクのみで取り扱う形になる。同時にSIMフリーモデルの発売も計画しているとのことだ。

  • 決算説明会で公開されたBALMUDA Technologiesのロゴ入りスマホ端末の一部写真

 2021年5月13日に開催された2021年12月期第1四半期決算説明会で、バルミューダ代表取締役社長兼チーフデザイナーの寺尾玄氏はスマホ市場に参入する理由について次のように語った。

「スマートフォン市場は我々がチャレンジできるなかでもっとも大きい市場だが、各社が撤退される状況も生まれている。しかし、こんなに多くの人が使っているのに、現状ではお客様が選べる選択肢が少なすぎる。ここがひとつのチャンスではないかと考えて今回の参入に至った。製品の品質のこだわりや堅牢性の高さが、私が京セラさんにお願いした一番大きな理由です。また、当社のビジョンに対して深い理解を示してくださったこともあり、今回パートナーシップを組むことになりました」(寺尾氏)

 5月の第1四半期決算説明会ではスマホ端末事業に参入するとのみ発表されたが、8月に開催された第2四半期決算説明会では、新たに「BALMUDA Technologies」というブランドを立ち上げ、スマホ端末事業はそのなかの一事業として位置付けられると発表された。

 従来のBALMUDAブランドは生活家電、BALMUDA Technologiesブランドはデジタル家電という位置付けではなく、「技術集積度の高さで認識を分けています」と寺尾氏は続ける。

「トースターは日本で年間約200万台販売されていますが、スマホは約3100万台と規模が全く違う世界です。家電の『BALMUDA』はなるべく広い方々に好かれて使っていただくというブランド戦略をとってきましたが、スマホは強いブランドがたくさんある市場で、ブランディングのやり方が違います。これまで家電でやってきたバルミューダよりも少し先鋭的で先進的なブランド戦略をとろうと思い、ブランドを分けました。また、世界を見ているということも付け足しておきたいです。家電のバルミューダも海外で販売していますが、主に日本のお客様を見て商品を作ってきました。『BALMUDA Technologies』というブランドで作る商品は、世界のお客様を見て作っていくつもりです」(寺尾氏)

 決算説明会の資料によると、2021年12月期の業績予想は売上高が181億円で、そのうち14.9%が携帯端末関連(約27億円)になるとしている。たった2カ月で事業全体の14.9%を占めると予想しているのはかなり強気にも思える。

 どのような端末を発売するのかについての詳しい情報はまだ開示されていないが、「キッチン家電のバルミューダが間違ってデザイン携帯出しました、みたいなことには絶対にさせません」と寺尾氏は語る。

「当然ながらデザインや外観は重要な要素のひとつだと思いますが、スマートフォンで我々が享受する多くの“よきこと”はアプリケーションをとおしておこなわれます。そのため独自のアプリケーションを通じて、『これ使っていると使い心地がいい』、『気分がいい』という“体験価値”を提供できるような商品を開発しています」(寺尾氏)

Next決して楽な道のりではない“ブランドスマホ”
Gallery【画像】バルミューダが参入するスマホ事業のポイントを探る(5枚)

page

RECOMMEND