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簡単セッティングなのに音の広がりと迫力が圧倒的! ソニーの新しい立体音響はどんな仕組みなのか?

セッティングは簡単でもバーチャルサラウンドとは別物

 ソニーが新開発した立体音響技術“360 Spatial Sound Mapping(サンロクマル スペーシャル サウンド マッピング、以下360SSM)”を搭載するホームシアターシステム「HT-A9」が登場した。

 システムは、円筒状のワイヤレススピーカー4体と、それらを制御するコントロールボックスで構成される。4体のスピーカー間や、スピーカーから天井までの距離を内蔵マイクと測定波で計測し、スピーカーの置かれている空間を把握。その位置情報に基づいて4体のスピーカーから出る音波を重ねあわせ、最大12個の“ファントム(仮想)スピーカー”を最適な位置に生成する仕組みだ。これにより、左右や前後の広がりはもちろん、高さを含めた広大な音場の再現を可能とし、部屋全体がいい音で満たされる。

  • 左右や前後の広がりはもちろん、高さ方向も含めた広大な音場の再現を可能にする「HT-A9」

 仮想スピーカーの生成、と聞くと、1-2本のスピーカーによるバーチャルサラウンドを想像しがちだが、ソニーのV&S商品技術部・酒井芳将さんは「バーチャルサラウンドとはまったくの別物です」と語る。

「バーチャルサラウンドは、心理音響という技術を用いて、聞いている音を立体的に錯覚させる技術です。それに対して、360SSM技術を搭載するスピーカーの場合、錯覚ではなくリアルな音場を生成しているのです」

 こうして生成された最大12のファントムスピーカーに囲まれることで、見ている映画のシーンへと入り込んだかのような、圧倒的な没入感を体験できるという。同社ホーム商品企画部の鈴木真樹さんは、次のように説明する。

「テレビとつなぎ、映画コンテンツを視聴すれば最新の映画館にいるかのような、また、音楽ライブ映像であればライブ会場にいるかのような体験を、自宅に居ながらにして、しかも、一番いい場所の音を楽しめるのです」

●4体のスピーカーはワイヤレス接続だから自由にレイアウト可能

 充実した360度の音場を構築するには、4体のスピーカーを最適な位置にレイアウトする必要がありそうだが、「HT-A9」の場合、ユーザーを中心に正方形に設置する必要も、4体の高さを合わせる必要もない。設定は、コントロールボックスをテレビとHDMIケーブルでつなぐだけでほぼ完了だ。

 そこから電源を入れると、内蔵の計測用マイクと測距音により、部屋に設置したスピーカー間や、スピーカーから天井までの距離を計測する。それをもとに、部屋に合わせた音場空間を自動で生成。テレビと接続した後は、画面に表示される案内にしたがってリモコン操作することで、自動で最適な音場を創出してくれる。

 ちなみに、同社のテレビ「ブラビア」の対応モデルと接続した場合、「HT-A9」の4体のスピーカーに加え、「ブラビア」の内蔵スピーカーをセンタースピーカーとして活用可能。これにより、さらに臨場感あるサウンドを堪能できる。

 もちろん「HT-A9」は、最新の音声フォーマットであるDolby AtmosやDTS:Xにも対応。AmazonプライムビデオやNETFLIXなども最高のサウンドで視聴できる。加えて、従来の5.1chサラウンドや2chの音源も、元の信号から高さ方向の情報を生成して立体的なサウンドで再生。最新コンテンツはもちろん、ゲームやYouTubeなどのソースも迫力満点の音場で楽しめる。

 これまでは、スピーカーの設置場所やセッティングの手間などを考えると、立体音響機材を自宅へ導入するというのはかなりハードルが高かった。しかし、最新技術を搭載した「HT-A9」の登場で、一気に身近な存在となったことは間違いない。

“コンテンツへの没入感”というと、とかくテレビやプロジェクターといった映像ハードにフォーカスが当たりがちだ。しかし、最新の立体音響フォーマットを手軽に堪能できる「HT-A9」の登場で、今後は音を重視するユーザーがより増えることだろう。

●製品仕様
・本体サイズ:W160×D147×H313mm(スピーカー1体)
 W150×D150×H52mm(コントロールボックス)
・対応フォーマット:Dolby Atmos、DTS:X、リニアPCM 7.1chなど

Gallery【画像】最新の映画館やライブ会場にいるかのような体験を味わえる「HT-A9」の詳細を見る(4枚)

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