VAGUE(ヴァーグ)

セイコーダイバーズの新作で考える「逆回転防止」のなぜ

ふたつのマイルストーンを現代的に解釈

 ダイバースキューバのラインに加わった2モデルは、いずれも過去に発売されたエポックメイキングなダイバーズウオッチを現代解釈したケースデザインが特徴。1965年に登場した国産初のダイバーズウオッチと、1970年に発売し、冒険家・植村直己氏の北極圏1万2000km犬ぞりの旅に携行されたモデルが、それぞれベースとなっている。

 いずれも過酷な環境下で頼れる精度や耐久性はもちろん、操作性にも優れ、ダイバーズウオッチの本質的な機能を凝縮。無骨ながら洗練された印象を持つケースデザインも、セイコーダイバーズならではの機能美を感じさせるものだ。

  • ミリタリーテイストなファブリックストラップとプロスペックスの無骨なケースがマッチ

 こうしたダイバーズウオッチの特徴を語る上で欠かせないのが、「逆回転防止ベゼルだ」。時間の計測に用いるベゼルが一方向にしか動かない機構なのだが、なぜこれがダイバーズウオッチでは必須となっているのか? 時計ジャーナリストの渋谷康人さんに、まず回転ベゼルの役割を聞いた。

「背中に付けたエアタンクの空気を吸うスキューバダイビングでは、潜水時間は安全のために常に意識しなければならない大事な情報。ダイバーが腕時計を着けるのは、『何分潜っているのか』を、水中でも確実に知るためです。この潜水時間を知るために使うのが、蓄光塗料の付いた分針と、分目盛りのついた回転ベゼルです」

 これに一方向にしか動かない=逆回転を防ぐ機構を加えることは、潜水時の安全性を高める上で非常に重要な意味を持つ。

「もしベゼルが水中で動いてしまうと、潜水時間がわからなくなります。このトラブルを避けるために考案されたのが、順方向(右回転)にしか動かせず、バネによるロック機構が付いた逆回転防止ベゼル。ケースの外周にアウターベゼルとして装備するのが一般的ですが、文字盤の外周に設けて、ロック機構付きのりゅうずで操作するタイプもあります」(渋谷さん)

 致命的なトラブルにつながるわずかな判断ミスを防ぐための、まさにプロフェッショナル向けの機構。200m空気潜水用防水や視認性を確保する内面無反射コーティングなども含め、数々の冒険を支えてきたセイコーダイバーズのDNAがしっかり息づいているのだ。

●高品位なファブリックストラップを初採用

 一方でこの2モデルでは、新たな技術も意欲的に投入している。セイコーダイバーズウオッチの歴史上、初めてファブリックストラップを採用。着物の帯締めなどにも使われる日本伝統の編み込み技法「製紐(せいちゅう)」で作られたものだ。引張強度や耐光性といった耐久性に加えて、装着時の快適性や品位を感じる審美性も兼ね備え、しなやかでありながら高い性能規格も満たしている。

 いずれも工具不要で付け替え可能な別色のファブリックストラップが付属。表情の違いを楽しみながら幅広いシーンで使い分ければ、セイコーダイバーズ伝統の信頼性をより深く理解できるだろう。

●セイコー プロスペックス「ダイバー スキューバ 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン/1970 メカニカルダイバーズ 現代デザイン」商品仕様
・品番:SBDC141/ SBDC143
・ケース素材:ステンレススチール(ダイヤシールド)
・ベルト:ファブリックストラップ(ポリエステル)
・ケース径:SBDC141 40.5mm / SBDC143 42.7mm
・ケース厚:ともに13.2mm
・ムーブメント:自動巻(手巻付き) キャリバー 6R35
・駆動時間:最大巻上時約70 時間
・風防:カーブサファイア(内面無反射コーティング)
・防水性能:200m空気潜水用防水

Gallery【画像】セイコーダイバーズウオッチ史上初となるファブリックストラップの魅力(7枚)

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