MIRAIは未来の高級車!? トヨタ新型「ミライ」の進化したその走りと水素社会に向けた課題とは?

2020年12月にフルモデルチェンジされ、2代目になったトヨタの水素燃料電池車(FCV)新型「MIRAI(ミライ)」。駆動方式も先代の前輪駆動から新型では後輪駆動に変更、乗車定員も4名から5名へと、すべてを新しく進化させて登場した新型ミライは、高級セダンにふさわしい走りも手に入れている。新型ミライで実際に走ってみた。

カーボンニュートラルの実現にはEVやFCVは必須!?

 2021年6月20日の日本経済新聞一面に掲載されていた「グリーン水素価格1/3」という記事が目に止まった。

 記事によれば、ENEOSと千代田化工建設は、製造過程で二酸化炭素(CO2)を出さない「グリーン水素」の製造プラントを共同で開発する。そして電気分解に関する独自技術を使って設備投資を抑え、水素価格を1kgあたり330円と、現在の3分の1程度にするのを目指すというものだ。

 現在の水素の流通価格は1kgあたり1100円(消費税別)程度だから、この記事のように1kgが330円になれば、水素の燃料代がいまの約3割で済む。こうなると、まだまだ先だと思っていた水素社会がグッと近づいた感じがする。

 そんな観点で、第2世代になった「MIRAI(ミライ)」を見ていこう。

トヨタ新型「ミライ」

 ミライは世界初の市販燃料電池車(FCV)として2014年に登場し、ワールドワイドではすでに1万台以上販売した実績を持つ。

 発売当初は水素ステーションが少ないという問題点があった。ただし、水素で走るクルマが少なければ水素充填施設は増やせない、というニワトリと卵の関係は、ミライの販売開始によって徐々に施設が増えてきた。

 菅首相が2050年に日本でカーボンニュートラルを実現すると発表したのは広く知られている。こうなると、走行中にCO2を出さない電気自動車(BEV)やFCVに注目が集まる。充電する電気がCO2フリーで発電され、充填する水素がCO2フリーで製造されていれば、モビリティとしてカーボンニュートラルに大きく近づくからだ。

 そんなタイミングで、2020年12月に第2世代の新型ミライが登場した。

 先代ミライと新型ミライの違いはあまりにも大きい。これは通常のフルモデルチェンジ以上の大改革だった。

 先代ミライは前輪駆動(FWD)だったのに、新型ミライは後輪駆動(RWD)になった。
 
 また先代の4人乗りが新型では5人乗りに。そして標準装着タイヤは17インチタイヤから20インチタイヤに。さらに新型ミライでは新しいTNGAのプラットフォームを採用した。

 つまり先代ミライのことは忘れて、まったく新しく魅力的なクルマをつくろうとしていることが想像できる。

 後輪駆動になったことで、走りのポテンシャルを大幅に上げることが可能になる。前輪駆動だとどうしてもフロントが重くなるが、後輪駆動にすれば前後の重量バランスがうまく取れる。

トヨタ新型「ミライ」のインパネ

 新型ミライは前950kg/後1000kgと理想的な前後重量配分だ。これによりアクセルペダルを踏んで加速するとき、タイヤがロスなく路面を蹴ることができ、コーナリングも曲がりやすく安定性もあり、ブレーキングでも4輪がうまく働いてくれるからだ。

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