940馬力の究極「羊狼」ワゴン誕生! ポセイドンが手がけた激速AMG「E63」とは

メルセデスAMGのチューナーであるポセイドンが、ルックスはそれほど手を加えず、エンジンを過激にチューニング。0-100km/h加速ジャスト3秒の「E63 RS 830+」とは。

940馬力の激速ワゴン誕生

 ドイツのアウトバーンを走行中、今回紹介するメルセデス・ベンツ「Eクラス」のステーションワゴンに出会ったとしても、パッシングするなどの道を譲らせるための行為は禁物だ。

 その第一の理由は、たとえステーションワゴンであっても、ハウス・チューナーのメルセデスAMGによってさらなる駿馬へと仕立てられた「E63 S 4MATIC+ ステーションワゴン」であること。ノーマルでも612psの最高出力と850Nmの最大トルクを誇るV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、かつ9速のAMGスピードシフトMCTを持つこのモデルは、その気になれば瞬時にして視界から消えてしまうに違いない。

●驚きの0-100km/h加速ジャスト3秒のワゴン

外観は普通のAMGだが、最高出力940ps/最大トルク1280Nmにまでパワーアップされたエンジンを搭載したポセイドン「E63 RS 830+」

 だが、さらに上には上があるというのが、今回紹介するチューンド・モデルのストーリーである。その究極のマシンを生み出したのは、日本ではまだ知名度は高くはないが、ドイツでは「メルセデス・ベンツ」ではなく、「メルセデスAMG」のチューナーとして、ここ最近魅力的なモデルをリリースしている「ポセイドン」である。

 メルセデスAMGのE63が一瞬で視界から消えてしまうモデルであるのならば、このポセイドンが製作した「E63 RS 830+」は、まさに自分の前方にそれが走っていたことすら、幻ではなかったかと感じさせるほどの速さをもった1台だといえるだろう。

 ポセイドンはこれまで、何ステージにもわたってE63のチューニングを続けてきた。代表作は「E63 RS 830」だ。

 新設計の触媒コンバーターとターボチャージャー、スポーツエアフィルター、スポーツダウンパイプなどを装備し、さらにトランスミッションの制御ユニット、エンジンソフトウエア制御ユニット、および中央パワートレインコントローラーも独自の設計である。結果的にこのエンジンは830psの目標値を超え、880psの最高出力と1200Nmの最大トルクを得るに至り、0-100km/h加速3.1秒、最高速度350km/hを記録するに至った。

 今回発表された「E63 RS 830+」は、そのさらに正常進化版と呼べるモデルで、シリンダーヘッドの交換やバルブシートなどを見直し、さらなる強化型エンジンに仕立ててある。

 そのエンジンは、最高出力940ps、最大トルク1280Nmを得るに至った。0-100km/h加速はジャスト3秒、最高速こそ明らかにされていないが、さらなるアドバンテージが生み出されていることは間違いないだろう。

 一方、エクステリアのフィニッシュは控えめな印象。ベースであるメルセデスAMGから大きく雰囲気は変わっていない。だからこそアウトバーンで遭遇した際に、ただのEクラスワゴンだと侮ってしまいそうになるのだ。

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 昔からドイツでは、メルセデス・ベンツやBMWなど、あえて高性能であることが外観から分からないようにしてあるクルマが多い。たとえば初代「M5」など、日本仕様ではフロントバンパーやトランクスポイラーなどフルセットとなっていたが、ドイツではそうしたエアロパーツレス、さらには「M5」のバッジすら付けていない「羊狼」仕様も多かった。

 先日、日本での予約受注が始まった、巨大なリアウイングが装着されていないポルシェ「911 GT3 ツーリングパッケージ」などもそうした「羊狼」仕様の1台だ。

 外観はあくまでも控え目に、そしてアクセルペダルを踏めば激速というポセイドン E63 RS 830+は、ベースがワゴンであるだけに「羊狼」度がさらに高い1台といえるだろう。

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