VAGUE(ヴァーグ)

クラシックカーのある生活を提案!「SHCC大磯ミーティング」から学ぶ旧車ライフ

ミニを始め、ポルシェやロータスなどバラエティ豊富な参加車両たち

 1970年代までに生産されたクラシックカー(同型車も可)が、かつては懐かしのドライブイン・シアターとしても使用されていた、大磯プリンスホテルの巨大な駐車場に設定されたコースを縦横無尽に駆け巡る「SHCC大磯ミーティング」。参加車両のバラエティの豊富さは、国内のクラシックカー・モータースポーツでも随一のものと思われる。

●もっとも敷居の低いクラシックカーのモータースポーツ

  • クラシックカーを走らせて楽しむには、ジムカーナはもってこいの競技だ

 最大会派のミニを筆頭にポルシェやロータス、アルファ ロメオなどの人気車種から、フォーミュラ・モノポストに至る様々なクラシックカーたちがジムカーナに挑む。また、昨今ではその人気を世界レベルのものとしつつある国産クラシックカーも、このイベントでは遥か以前からすっかり常連となっている。

 その傍ら、ドライバー陣もバラエティに富んでいるのも、この老舗イベントの特徴といえよう。今回はスペシャルゲストとして招待され、デモランなどを披露した往年の名ドライバー、半世紀前には国内最高峰「日本グランプリ」も制した「ガンさん」こと黒沢元治氏や、現役の全日本ジムカーナ選手権チャンピオンの西野洋平選手なども、デモランなどでその走りを披露していた。

 また、1970年代のF1マシンによる世界タイトル戦「マスターズF1チャンピオンシップ」やリバイバル版モナコGP「モナコGPヒストリーク」で優勝も果たしている久保田克昭氏らは、毎回競技にもエントリーしてジムカーナを楽しんでいる。

 しかしその一方で、大方のエントラントはナンバー付きの愛車で大磯までやってくるアマチュアである。もちろん上位陣は腕利きのベテランが多いものの、その一方で、親子や夫婦でクルマを共用し「Wエントリー」する参加者のなかには、初心者マークをつけたクルマの姿も散見された。

 毎回のエントリー状況によって若干の変化はあるが、第64回の今回は、1000cc以下のノーマル車両および500cc以下の軽自動車による「Aクラス」、1300cc以下のノーマル車両および1000cc以下の改造車両による「Bクラス」、1800cc以下のノーマル車両および1300cc以下の改造車両による「Cクラス」、1801cc以上のノーマル車両および1301cc以上の改造車両による「Dクラス」、第二次世界大戦前のクルマおよびそれに準ずる車両による「Kクラス」、クラシック・ミニのワンメイクとなる「Mini クラス(A/B)」、そしてレーシングカーおよび「スーパーセブン」の同類車(ロータス、ケータハム、バーキンなど)による最速カテゴリー「Rクラス」などが設定された。

 また今回は、日本最古の自動車クラブのスピリットを継承した「ACJ(Automobile Club Japan)」がクラブ単位で特別エントリーし、専用のカテゴリーが設けられた。

 いずれのカテゴリーでも高価なクラシックスポーツカーばかりではなく、本気で入手する気になれば、現在のマーケットにおいてもリーズナブルな価格で充分に手が届きそうなクルマたちが多くを占める。日ごろ街乗りとして使用しているクルマ、あるいはもともと自宅のガレージや納屋で眠っていた古いクルマを走行可能な状態にまで修理し、ヘッドライトとテールランプに飛散防止用のビニールテープを張っただけのようにも映るエントラントさえ見受けられる。

 つまりジムカーナが、クラシックカーとともに楽しむにはもっとも敷居の低いモータースポーツであるということを、このイベントは見事に体現しているのだ。

 SHCC大磯ミーティングは、その名のとおり愛好家クラブによるミーティングがパドックに隣接した会場で併催されたり、ジムカーナ競技の舞台であるコースからは離れたスペースに出店を並べたスワップミートなどもおこなわれたりすることから、「観にいく」イベントとしても充分に楽しめるものといえよう。でも、やはり自らの愛車とともにコースを思いっきり走らせるのは、ほかには代えがたい楽しみである。

 もしもクラシックカーを手に入れ、これからモータースポーツの門を叩いてみたいと思っている人は、ぜひSHCC大磯ミーティングを第一歩とすることをお勧めしたい。

 関東圏在住の方であれば「湘南ヒストリックカークラブ」に入会するのがもっともてっとり早い入門方法になるのは間違いない。しかし、クラブ員以外を対象とした一般エントリーも受け付けているとのことなので、まずは同クラブのホームページにアクセスしてみるとよいだろう。

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