1193馬力で約2億円! ハイパーカー「ゼンヴォ」が2021年夏のカーイベントを席巻する

2021年夏、最高出力1193ps/最大トルク1000Nmのデンマーク生まれのハイパーカー「ゼンヴォTSR-S」が英国のイベントを席巻する。もはや「普通」のスーパーカーでは物足りないスーパーリッチに、ゼンヴォ受け入れられるか。

1193馬力のデンマーク製ハイパーカーとは

 2021年夏にイギリスで開催されるサーキット・イベントの主役のひとつは、どうやらデンマークのゼンヴォ・オートモーティブが生産した「TSR-S」になりそうだ。

 ゼンヴォは2007年にデンマークのプレストで創業したハイパーカーメーカーで、TSR-Sは、先に誕生したサーキット走行専用車の「TSR」のロードバージョンとされる。

コーナリング時にはセントリペタル・ウイングをを左右に傾けることで、より大きなトラクションをコーナーイン側のタイヤに与えることが可能になる

 TSR-Sの軽量なカーボンファイバー製ボディのデザインは、いかにもハイパーカーの世界における新興勢力の策らしく、個性的でかつ前衛的なものだ。そのもっとも特徴的なパートとなるのは、「Centripetal Wing(セントリペタル・ウイング)」と呼ばれる、巨大なリアウイングだ。

 このウイングは、通常走行時に効果的にダウンフォースを発揮するほか、ブレーキング時にはエアブレーキとして機能する。またコーナリング時にはそれ自体を左右に傾けることで、より大きなトラクションをコーナーイン側のタイヤに与えることが可能になるという。

 このセントリペタル・ウイングは、もちろんゼンヴォの特許技術である。左右方向の傾斜は最大で20度に達する、かなり独創的なメカニズムといえる。

 軽量化は、TSR-Sの開発において非常に重要な課題だった。そのためにボディは前で触れたとおりフルカーボン製。前後のホイールもカーボン製だが、これはふたりの職人がほぼ1週間の時間を費やして、やっと1本が完成するという。重量は一般的なアルミニウムホイールのそれと比較して、1本あたり15kgも軽い。

 インテリアにも余計な装飾はなく、雰囲気としてはレーシングカーそのものの世界だ。エアコンやエアバッグなど、現代の自動車には必要不可欠な装備さえ、このTSR-Sからは省かれている。ただしインストゥルメントパネルのデザインは、ロードモデル用に若干の改良が施されている。

 シャシはアルミニウムとスチール素材からなるセミモノコックだ。乾燥重量はそれでも1495kgと軽量な値を実現している。

 リアミッドに搭載されるエンジンは、5.8リッターのフラットプレーンV型8気筒ツインスーパーチャージャー。最高出力1193ps、最大トルク1000Nmと発表されている。0−100km/h加速は2.8秒、0−200km/h加速もわずかに6.8秒でこなし、最高速はリミッター制御で325km/hに抑えられている。

 ゼンヴォ・オートモービルは、年間の生産台数をすべてのモデルを合せて5台以下に制限しているため、このTSR-Sの姿を実際に見ることは非常に稀だろう。

 ちなみに2021年の夏は、冒頭に書いたとおりイギリスのサーキット・イベントをプロモーションのために転戦する予定とのこと。参考までにTSR-Sの車両価格は145万ユーロ(邦貨換算約1億9400万円)となっている。

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