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2億2000万円で落札! バブル期並みに高額になったフェラーリ「F40」

フェラーリのスペチアーレは価値が下がらない

 フェラーリ「F40」は、すでに伝説といってもいいクルマだろう。エンツォ・フェラーリが手掛けた最後のスーパーカーというだけでも価値があり、フェラーリ40周年記念車というのも意味合いが大きい。また、最高速度324km/hというのは、当時の市販車の世界最高速度だ。

●1992 フェラーリ「F40」

  • バブル時代に新車価格の4倍以上の2億円ものプレ値がついた「F40」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 1987年、F40が発表されたときには、400台のみ生産するというアナウンスがあり、その後あまりの反響の大きさから、最終的には1300台ほどの生産となった。しかし全世界でわずか1300台ほどしか存在しない、というのも、F40の価値を高めている。

 メカニカルな部分でも、当時のフェラーリが技術の粋を尽くしている。レーシングカー用として開発されたスチールチューブフレームにセットしたボディは、カーボンファイバーとケブラーで構成されており、そのデザインはピニンファリーナの風洞でテストを重ねた上でつくられている。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式、エンジンは2.9リッターV型8気筒ツインターボで、わずか1100kgという車重に対して、478ps/7000rpmというパワーと、577Nm/4000rpmというトルクが与えられた。

 実際の走りに関しては、残念ながら筆者はF40を運転したことがないので分からない。ただ、漏れ伝わってくる話を紹介すると、開発に参加したフェラーリF1チームのドライバー、ゲルハルト・ベルガーが「雨の日には乗りたくない」と評したくらいブースト圧が一気に掛かる、いわゆるドッカンターボだったらしい。日本で試乗したとある自動車ジャーナリストが崖から落としたという話も有名だ。その実力を発揮するのは、相当に難しかったのではないだろうか。

 また、パワーステアリングが装備されていないことに加えて、ブレーキもサーボによるアシストがないダイレクト式であり、クラッチも非常に重かったという話も聞いている。快適とはほど遠いスパルタンさがあったのだろう。また、エンジンのオイル漏れやパイプのつなぎ目からの燃料漏れなどもよくあるようで、実際、車両火災事故も起きている。ごく最近、箱根で炎上してしまったことも、記憶に新しいところだ。

 とはいえ、F40はF40である。日本での新車販売価格は4650万円で、バブル期の登場ということもあって、すぐに中古市場での価格は1億円を超え、その時すでに最高で2億5000万円ほどにもなっていた。生産台数の少なさ、40周年記念車であること、その当時の最高の技術が注ぎ込まれていることを考えれば、今後も確実に値上がりを続けるクルマである、といっていいだろう。

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