メルセデス車のタイヤにある「MO」のマーク これって何? 市販用タイヤとどう違う?

新車装着タイヤのサイドウオールを見てみると、メルセデス・ベンツには「MO」、ポルシェは「N」、BMWやMINIには「★」マークがついている。これらはメーカー承認タイヤを表すマークなのだが、タイヤ専門店などで売られているタイヤとはなにが違うのか。

新車の開発と並行して開発されるメーカー承認タイヤ

 2021年1月に日本上陸を果たしたメルセデス・ベンツ新型「Sクラス」。メルセデスのフラッグシップサルーンとして、動力性能も静粛性もこれまで以上に進化したラグジュアリーモデルだが、足元を見ると、装着されるタイヤはひとつのメーカーだけではないことに気がつく。

 あるSクラスの試乗車にはピレリ「Pゼロ」、そしてもう1台のSクラスにはブリヂストン「T005」というタイヤが装着されていた。ただしこれは決して珍しいことではなく、輸入車だけでなく多くの国産車も、複数のタイヤメーカーのものが新車装着用タイヤとして採用されている。

 新型Sクラスの場合には、どのタイヤにもサイドウオールをよく見ると「MO-S」という記号が入っている。これが自動車メーカー承認タイヤ(純正タイヤ)の証で、MOは「メルセデス・オリジナル」、最後のSは「サイレントタイヤ(=スポンジ入りタイヤ)」という意味になる。

2021年1月に日本で登場したメルセデス・ベンツ新型「Sクラス」のタイヤには「MO−S」というマークが記されている

 タイヤは動力を路面に伝えるだけではなく、旋回する時はクルマの車重を支えて、そしてクルマがキチンと止まれるように制動力まで受け持つという大事な役割を持つ。乗り心地といった要素にも大きく関わってくる大切なパーツだ。
 
 だからこそ自動車メーカーはタイヤメーカーと共同で新車開発をおこなっている。そして販売される新車には、自動車メーカーの承認マークが付いた純正タイヤが装着されている。

 新型Sクラスのように、自動車メーカー承認タイヤには、サイドウオールに独自のマークが付いていることがある。とくに輸入車の場合、そうした承認マークが付いていることが多い。

 たとえば、BMWやMINIの新車装着タイヤには「★(スターマーク)」、ポルシェは「N0」「N1」「N2」「N3」などの「Nマーク」、アウディは「AO」「RO」、ボルボは「VOL」、フェラーリは「F」などのマークが刻まれている。

 ただし、国産車のタイヤにはなくて輸入車の新車装着タイヤに必ず入っているというわけではない。たとえばフォルクスワーゲンの新車装着タイヤには、この承認マークが入っていない。

BMWやMINIのモデルに新車装着されたタイヤには「★(スター)」マークが入っている

 タイヤは走行距離に応じて摩耗していくもの。それではタイヤを交換する際、新車で装着されていたのと同じタイヤを選んだほうが良いのか、それとも市販のタイヤのほうが良いのか。両者ではどのような違いがあるのだろうか? ブリヂストン担当者に話を聞いた。

「新車に純正装着されているタイヤは、『そのクルマの特性にあったタイヤ』になっています。自動車メーカーが新型車を開発するにあたり、その車両の特性、キャラクターに合わせたタイヤをメーカーからの要請を受けて開発・提供しているのです。

 多くの場合、車種ごとに少しずつ違った仕様のタイヤになっています。たとえば同じサイズで同じブランドのタイヤでも、他の車種に装着するとフィーリングが変わってしまうこともあります」とのことだ。

 ブリヂストンの広報担当は続ける。「市販タイヤの特性は、さまざまな車種に装着されることが前提ですので、どのクルマに装着してもマッチングが取れるような仕様にしています。そのなかでお客さまのカーライフに合わせたタイヤを選んでいただきたいと考え、さまざまなタイヤをラインナップしているのです。

 たとえばスポーティなドライビングを楽しみたいお客さまには、グリップ性能やハンドル操作のレスポンスに長けたPOTENZA(ポテンザ)を、また快適な車内空間を求められるお客さまにはREGNO(レグノ)を用意し、走行時の静かさや乗り心地を提供しています」とコメントした。

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