爆音でゴキゲン! ランボルギーニ「ウルス」はスポーツカーか!?

プロレーサー、テストライダー・ドライバーの丸山浩氏によるオーナー目線のインプレッション。今回のテストカーは、ランボルギーニ「ウルス」だ。

スポーツできるSUV

「ミサイル発射!」

 ランボルギーニらしい遊び心にあふれた演出を楽しみながら、「ウルス」のエンジン・スタータースイッチを押す。そこかしこにカーボンをあしらったインテリアと相まって、ドライバーをやる気にさせてくれる。

見た目よりも運転した方が、ランボルギーニのテイストを強く感じることができる「ウルス」

 さらにモチベーションを高めてくれるのが、エンジンに火が入った瞬間から轟くエキゾーストノートだ。たまらない響きに包まれながらスタンダードの「ストラーダ」モードで走り始めると、意外や意外、運転しやすい。車体そのものの大きさはあるが、ステアリングの軽さ、エンジンのスムーズさ、そしてタッチの柔らかいブレーキは、アグレッシブなエクステリアの印象とは正反対に優しい。

 ものものしいスイッチ類や尖ったインテリアなど、見るからに派手な見た目とは裏腹に、サスペンションはソフトでシートの座り心地も良好。ごく普通のSUVとしての扱いやすさだ。前走車に追随するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の加速や減速までも、かなり正確かつスムーズに仕上げられている。

 ではウルスがただのSUVかといえば、そんなことはない。そこはランボルギーニ、走行モードを「スポーツ」にスイッチすると、まったく別の表情を見せてくれる。エキサイティングなエンジンサウンドが、耳を激しく刺激するのだ。シフトアップごとのアフターファイヤー音は、まるで1発1発の大砲を鳴らしているかのよう。さらに「コルサ」モードに切り換えると、怒濤の加速力を見せる。2.2トンとは思えないほど、どこまでも加速を続けるのだ。

 これは気持ちがいい。ストラーダモードではごく普通のSUVのようでありながら、スポーツ、コルサとモードを変えるに従って、エンジンが猛々しい迫力を見せる。ウルスとは野生牛の意味だそうだが、いかにもV8らしいサウンドも確かに獰猛な野生動物のようだ。

 コルサモードではダンパーがしっかり利いているためロール感はほとんどなく、見た目は車高があるのに、まるで地を這うような接地感がある。重心位置が低く抑えられているのだろう。コーナリングスピードは極めて高く、スーパーカーに乗っているかのようなドライビングプレジャーを味わわせてくれる。それなのに乗り心地はよく、ゴツゴツ感はあまり感じられない。非常に上質なサスペンションだ。

 速度域が上がってブレーキの踏力が増しても、巨大なキャリパーとは思えないほどタッチはソフトなまま。コントロールしやすいから安心してさらに踏み込めば、怒濤の加速に見合うだけの圧倒的な制動力を発揮してくれる。

●5人乗車できるランボルギーニ

 そしてウルスには、SUVらしい利便性も備わっている。(ランボルギーニなのに)大人5人が余裕を持って乗車でき(試乗車はリアシートがセパレートタイプなので4人乗車)、ラゲッジルームの積載力も十分、日常ユースにおいても過不足はない。

 ただし、一般的なSUVとまったく異なるのは、ステアリングを握るドライバーが運転を楽しんでしまう点だろう。これは、スーパーカーのフィーリングを発揮するウルスならではのキャラクターだ。

 エンジン、ハンドリングともにハイパフォーマンスで運転が楽しいから、長時間乗っていても飽きず、疲れず、どこまでも走り続けたくなる。これもSUVに求められる要件のひとつ。ウルスは独自のアプローチを取りながら、しっかりとSUVの作法を守っているところがすごい。

 最後に、どこにでも連れていってくれるのがSUVの魅力だとすれば、ウルスはオンロードやオフロードは言うに及ばず、レーシングの世界にまで誘ってくれる希有な存在だ。それほどまでにスポーツ性の高いSUVなのである。

 SUVであってもスーパーカーのDNAを貫くランボルギーニの姿勢に、つくづく感心させられた。

Gallery:【画像】丸山浩氏が気になった「ウルス」のポイントとは(18枚)