アートなフルラッピングの価値は700万円! なぜポルシェ「タイカン4S」がオークションに

ポルシェ「タイカン4S」をキャンバスにしたアートカーが、COVID-19の被害を受けたアーティストを支援する目的でオークションに出品された。果たしてどれほどのプレミアがついたのだろうか。

ポルシェ「タイカン4S」のアートカーがオークションに出品

 ポルシェ初となるフルBEV「タイカン」は、これからさらなる進化を遂げ、将来ポルシェの歴史を語る時には、必ずや大きな節目の1台として触れられることは確かだろう。

 このタイカンの門出を祝うかのように、ポルシェはニューヨークに在住する現代芸術家リチャード・フィリップスとの特別なコラボレーションによるアートカーを製作し、先日披露しばかりだ。

●2020 ポルシェ「タイカン4S」アートカー by リチャード・フィリップス

オークションでの収益金は、新型コロナウイルス感染拡大によって被害を受けたスイスのアーティストを支援する目的で非営利団体に寄付されている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby’s

 リチャード・フィリップスの作風は、作品が大きく、超現実的な具象絵画で知られている。彼が現代画家として大きな転機となったのは、今から20年以上前にスイス・チューリッヒのレストラン「クローネンハレ」で、スイスの画家アドルフ・ディートリッヒの作品に出会ったことにあった。

 クローネンハレは1924年の開店以来、著名なアーティストが集まるサロン的な場所となり、店内にはマティス、ミロ、シャガール、ジャコメッティ、そしてもちろんディートリッヒの作品などが飾られ、スイスの著名人が集まる有名なレストランである。

 ここでフィリップスは、ディートリッヒの描いた穏やかな自然主義的な構成に触発され、意図的にディートリッヒの風景の要素を彼自身の作品に採り入れるようになったのだという。

 フィリップスが2010年に完成させた作品『夜の女王(Queen of the Night)』も例外ではなく、ディートリッヒへのオマージュという点では、より直接的な関係を感じさせる作風に仕上がっている。

 この『夜の女王』をモチーフにして、鮮やかなカラーリングをまとったのが「タイカン4S」アートカーである。

 実はフィリップスは、ポルシェ・ブランドとも深いつながりを持っている。たとえば2013年のル・マン24時間をドライブしたヨルグ・ベルグマイスターのヘルメットをデザインした後、彼と協力して2019年のレース用「911RSR」アートカーの製作もおこなっている。

 このフィリップスの独特なカラーリングをまとった911RSRは、2019年のル・マン24時間レースのGTE-Amクラスにおいて、クラス優勝を果たしている。

Gallery:【画像】ポルシェ「タイカン」をキャンバスにしたアートカーを鑑賞する(40枚)