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最新技術満載!メルセデスの旗艦モデル 新型「Sクラス」に乗ってわかった驚くべき進化とは

ソフトな乗り心地なのにハンドリング性能も抜群

 Sクラスの大きなボディだが、市街地やワインディングロードでのドライビングも正確に反応してくれるハンドルによって、思いどおりのライントレースができる。

 ソフトな足でもロールが大きくならず、快適性とハンドリング性能は相当高いレベルにある。

  • メルセデス・ベンツ新型「Sクラス」はリアアクスルステアリングを採用。後輪が最大4.5度ステアする

 こうしたハンドリング性能は、リアアクスルステアリングも貢献しているはずだ。60km/h以下の市街地走行では、前輪と逆位相に動くため小回りが効いて、高速道路走行では同位相に動いて安定感を増す。

 停止状態でハンドルを切っていっても後輪操舵するから、壁際に止めたときにタイヤが壁側に動くことが心配だったが、想像するよりテールを振り出す量は大きくなかった。一般的な壁との隙間があれば問題なさそうだ。

 ブレーキフィールは、ペダルを奥まで踏み込むとグッと剛性感が高まりいい感じで制動できるが、踏みはじめのソフト感がメルセデスベンツらしくはないと思った。もっとペダルストロークを短くしたほうが扱いやすいはずだ。もしかして誰が運転してもカックンブレーキにならないようにしているのか。ショーファードリブンならこれでも良いかもしれないが。

 S400dのエンジンと9速ATの相性は抜群だ。流れに乗るように走るだけなら、エンジン回転数はいつも1200rpm前後にいる。市街地でも高速道路でも9速ATがいつの間にか変速していて、エンジンはゆるゆると回っているだけだ。

 それでもディーゼルターボは低速トルクが太いため微妙なスピードコントロールはしやすい。これなら静かさと燃費の良さを実現できそうだ。

 後席に乗ってみると、エンジン音がもっと遠くなって快適性は前席より良くなった。

 レッグスペースはロングボディの方がゆとりがあって楽なはずだが、今回試乗した標準ボディでも快適性に不満はまったくない。

 ダッシュボード上のエアコンの吹き出し口がクロームで縁取りしてあるので、これがドアガラスに映り込んでドアミラーが見にくいことがある。とくに夜間では、車内のアンビエントライトが明るいとその光も反射してしまうのが気になった。

 メルセデス・ベンツSクラスのフルモデルチェンジは、各分野において大きく進化した。MBUX、指紋認証、顔認証など、時代の最先端にいることは間違いないが、乗り手がそれに乗り遅れないようにしなくてはその有り余る機能を使いきれない。

 オーナーになったらそれを楽しみながら探求していくと、新しいクルマとの付き合いかたが見えてくるだろう。

  • メルセデス・ベンツ新型「Sクラス」(S400d 4MATIC)

Mercedes−Benz S400d 4MATIC
メルセデス・ベンツ S400d 4マティック

・車両価格(消費税込):1293万円
・全長:5180mm
・全幅:1920mm
・全高:1505mm
・ホイールベース:3105mm
・車両重量:2090kg
・エンジン形式:直列6気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:2924cc
・駆動方式:4WD
・変速機:9速AT
・最高出力:330ps/3600−4200rpm
・最大トルク:700Nm/1200−3200rpm
・WLTCモード燃費:12.5km/L

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