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スーパーカーもエコを意識する時代に突入?

 ポルシェから「カレラGT」が発表されてから7年。2010年のジュネーブ・ショーに、ポルシェは再び興味深いコンセプトカー「918スパイダー・コンセプト」を出品した。

 エアロダイナミクスをさらに追求したそのボディスタイルからは、それがカレラGTの正常進化型であることは容易に想像できたのだが、世界を驚愕させたのは、その運動性能のみならず環境性能にもあった。

 最高速は320km/h、0−100km/h加速が3.2秒以内、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェを7分以内でラップする運動性能を持ちながら(6分57秒)、同時にECEモードで3L/100km(約33km/L)の燃費と、70g/100kmのCO2排出量をも実現していた。

 それはハイエンド・スーパースポーツ、いわゆるハイパーカーが誕生した瞬間ともいえた。

●2015 ポルシェ「918スパイダー」

  • 918台中389番目の個体となるポルシェ「918スパイダー」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 ポルシェ918スパイダー・コンセプトは、なぜここまで優秀な運動性能と環境性能を両立することができたのか。

 それはハイエンドに位置するスーパースポーツカーとして初めて、PHEVのシステムを搭載したからにほかならなかった。ポルシェはコンセプトカーの発表時に、2013年からこの918スパイダーの量産をおこなう計画を発表し、その計画は予定どおりに実行されることになった。生産台数は車名にちなんで918台である。

 簡単に918スパイダーのパワーユニットを解説しておこう。

 パワーユニットの核となるエンジンは4.5リッターV型8気筒で、これはレーシングカー「RSスパイダー」用のエンジンをさらに改良したものである。

 最高出力は608psとされ、これにフロントに129ps、リアに156psの2基のEモーターを組み合わせる。システム全体では、最高出力887ps、最大トルク780Nmを誇った。

 搭載されるバッテリーは6.8kWのエネルギー容量を持つ138kgのリチウムイオンバッテリーだ。918スパイダーは、最終的に0−100km/h加速2.6秒、最高速度345km/hを実現している。

 完全なゼロエミッション走行となるEV走行は、満充電からならば約50kmが航続可能であった。これはカスタマーにとって十分に満足感が得られる数字だ。

Nextおよそ1億円で落札された「918スパイダー」
Gallery【画像】389番目の「918スパイダー」のディテールをチェック!(27枚)

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