タイガーマスクの愛車に激似!! ランボ「エスパーダ」はタイプ1がオススメ

クラシック・ランボルギーニがオークション・マーケットでは人気急上昇中だが、なかでも見直されているのが4シーターモデルだ。その代表格である「エスパーダ」を紹介しよう。

「エスパーダ」はシリーズ1がもっとも美しい理由とは?

 エスパーダはクラシック・ランボルギーニとしては、カウンタック(シリーズ総計で約2000台)に次いで、2番目に生産台数の多いモデルといわれている。

 1968年から1978年の約10年間に、3世代(シリーズ1:1968−70年、シリーズ2:1970−72年、シリーズ3:1972−78年)にわたって、シリーズ総計で1217台が生産されたという。

●1968 ランボルギーニ「エスパーダ・シリーズ1」

イタリアで完璧なレストアが施されたランボルギーニ「エスパーダ・シリーズ1」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby’s

 今回RMサザビーズ「PARIS」オークションに出品される個体は、デビューイヤーにわずか37台がサンタ・アガータ工場をラインオフしたといわれる内の1台。

 したがって、外側に薄く開くことのできるリアクォーターウインドウ、リアエンドパネル上部のガラスの上に取り付けられた垂直のスリットグリル。そして、ガンディーニとベルトーネがこだわったオクタゴン(八角形)デザインで構成された、メータークラスターのアヴァンギャルド的デザインなど、オリジナリティが好ましい初期のシリーズ1である。

 もともとは1968年11月に、イタリアのエミリア・ロマーニャ州ピアチェンツァで最初のオーナーにデリバリーされている。オークションの公式WEBカタログでは、その後のヒストリーは記されていないのだが、それから半世紀近くを経た2014年に北米テキサス州のディーラーから、ドイツ在住の現オーナーによって入手され、大々的なレストアを施すためにヨーロッパ大陸に戻されることになった。

 エンジン、トランスミッション、ブレーキ、サスペンション、ランニングギアを取り外して再生するこのレストアには3年の月日を要し、メカニズム系のオーバーホール作業はヨーロッパでもっとも有名なランボルギーニ・スペシャリストの一つ、モデナ近郊ノナントラの「Top Motor di Salvadori Luca(トップモーター)」によっておこなわれた。

 一方、延べ450時間を費やしたという内外装の修復は、ともにその分野を代表するプロフェッショナルに委ねられた。みごとなブルーメタリックのボディワークとリペイントは、リミニ近郊のボディ工房「Biondy e Parini(ビオンディ・エ・パリーニ)」社。チェリーレッドの本革レザーと、ネイビーブルーのカーペットでキャビンを完全にリトリミングする作業は、イモラ・サーキットにほど近いファエンツァの「Auto Interni(アウト・インテルニ)」社がそれぞれ担当していたとされる。

 これらのレストアに際して撮影された詳細な写真やオーナーへの請求書は、当時おこなわれたすべての作業をカバーしており、すべての項目が優れた基準のもとにおこなわれたことは、もっともシビアな審美眼を持つコニサー(通人)たちの目にも明らかと謳われている。

 この修復ののち、ランボルギーニ本社のクラシック部門「ランボルギーニ・ポロストリコ」によって、オリジナリティや時代考証の正統性について正規の認定を受けるとともに、2018年から2019年にかけてはサンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社に隣接するオフィシャルミュージアム「ムゼオ・ランボルギーニ」に展示されたヒストリーを持つ。

 また、レストアが完了して以降の走行距離は200km未満で、新車時のコンディションを維持しているこの個体は、近年のクラシック・ランボルギーニ人気に伴って価格高騰を続けてきたエスパーダのなかでも、おそらく最高ランクの1台とのことなのだ。

 このエスパーダは、全シリーズのなかでも生産台数がもっとも少ないとともに、芸術的価値が高いとされるシリーズ1であることから、ランボルギーニ愛好家のコレクターズアイテムとして優れているばかりか、今後ヨーロッパ大陸におけるロングツーリングの手段としても素晴らしいものとなるだろう。RMサザビーズ欧州本社は、WEBカタログでそうアピールしている。

 そして注目のエスティメート(推定落札価格)は、18万−22万ユーロ、日本円に換算すると約2270−2780万円に設定されたが、もしもこの価格帯で競り落とすことができるならば、個体のコンディションや「ムゼオ」展示歴などを思えば、決して悪くない投資となることだろう。

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 ちなみに、昭和40年代に人気だったアニメ『タイガーマスク』で登場するクルマが、エスパーダに非常に酷似しているが、フロントマスクを見る限り、エスパーダと同じくベルトーネがデザインしたコンセプトカー、ジャガー「ピラーナ」がモデルになっているといった方がいいだろう。

 ピラーナとエスパーダのデザインは、明らかに兄弟車と呼べるもので、ピラーナが市販されなかったため、タイガーマスクと同じクルマを所有したいのならエスパーダで代用するしかない。それにしても、タイガーがジャガーに乗るというのもいかにもシャレが効いているのではないか。

Gallery:【画像】ランボ本社博物館に飾ってあった「エスパーダ」とは(31枚)