VW新型「ゴルフ」日本上陸でどう変わる? 2021年以降VWの復権はあるのか

2020年のフォルクスワーゲン(VW)は苦難の1年だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響は甚大で、日本における年間の新規登録台数は3万6576台と、前年比マイナス21.8%という厳しい結果となってしまった。そして2021年、VGJは2月9日に新型「ゴルフ」の受注を開始したと発表、年央の発売が予想される。VWの復権はあるのか、かつての勢いを取り戻すことができるだろうか。

2020年の日本でのVWは前年比マイナス22%と大苦戦

 コロナ禍に襲われた2020年、日本国内における外国メーカーの乗用車の新車販売は、1月から12月の累計で前年比85.3%という厳しい数字となった(日本自動車輸入組合発表「輸入車新規登録台数」より)。

 そんな状況下において、フォルクスワーゲンの成績は累計3万6576台。ブランド別で2位(1位はメルセデス・ベンツ)、前年比78.2%であった。業界全体としての平均よりも悪い数字だ。その理由はどこにあるのだろうか。

2019年10月にドイツで世界初公開された8代目新型「ゴルフ」。当時の発表会の様子

 まず、大きかったのは、2020年が「ゴルフ」の世代交代という狭間の年であったことだ。

 ゴルフは、フォルクスワーゲンにおける販売面の絶対的エースで、常にナンバー1の売り上げを誇っている。しかし、新世代となる第8世代のゴルフが、欧州において2019年12月より発売が開始されている。

 そして、その新世代モデルの日本導入は、欧州に遅れること半年から1年ほど、というのが通例であった。しかし、あいにく、コロナ禍というアクシデントも影響したのだろう、2020年中の日本導入はなかった。この影響は大きい。

「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位の推移」(日本自動車輸入組合発表)の2020年度上半期(2020年4月から9月)のゴルフの成績は、4785台。これは2019年度上半期の約半数にとどまる。フォルクスワーゲンのトップセールスモデルが、前年の半数しか売れなければ、全体の数字も大きく悪化するのは当然のことだろう。

 ちなみに現行の7代目ゴルフは、2012年に欧州で発売され、日本には半年ほど遅れた2013年中ごろより導入されている。

 そのため、ゴルフの国内販売は2011年度の年間2万6125台から、2012年度は1万9464台にまで減っている。前年比でいえばマイナス25%ほどだ。

 本国で新型車が発売開始と聞けば、「それならば、新型が出るまで待とう」と考えるのは、ごく自然なこと。つまり、本国で新型デビューした後の日本での販売が振るわなくなることは、過去の数字でも明らかだ。そういう意味でも、新型ゴルフが本国でデビューする年は、日本市場は我慢の年になるのは、当然のことだろう。

 しかし、本来のところフォルクスワーゲンの2020年の日本市場は、そこまで悪化しないはずであった。

 なぜなら、新型モデルが2車種用意されていたからだ。それが、コンパクトSUVの「T-Cross」(2019年11月発売)とクーペライクなSUV「T-Roc」(2020年7月発売)だ。

2020年に日本上陸を果たしたVW「T-クロス」と「T-Roc」

 本来であれば、このふたつの新型モデルが、新型ゴルフ導入までの狭間の期間を埋めることが期待されていたのだ。フォルクスワーゲンにとって、わずか1年弱の間に2車種もニューモデルが投入されるというのは、そうそうないことだからだ。

 実際のところT-Crossは、2020年4月から9月に3454台も売れており、フォルクスワーゲンのなかではゴルフに次ぐ数字をあげている。

 しかし、それでもゴルフの買い控えというマイナス分を賄うことができなかった。それが、フォルクスワーゲンの2020年1〜12月の前年比78.2%という結果になったのだろう。

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