VAGUE(ヴァーグ)

どうしてフェラーリをカロッツェリアが手がけるのか?

 フェラーリが2006年2月に開催されたジュネーブ・ショーで、新型12気筒ベルリネッタの「599GTBフィオラノ(日本名599)」を発表した時、誰もが一瞬息を飲むほど、そのスタイリングは美しかった。

●2009 フェラーリ「599GTZニッビオ・スパイダー・ザガート」

  • ザガート本社のミュージアムで撮影されたフェラーリ「599GTZニッビオ・スパイダー・ザガート」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 599は前作の「550マラネロ/575Mマラネロ」に続き、フロントエンジンの基本設計を採用している。したがってロングノーズ&ショートデッキがスタイリングの基本となっていたが、すでにフェラーリはこのスタイルを完全に自身のものとして使いこなしているという感が強かった。

 599に先んじて誕生した2+2GTの「612スカリエッティ」も、フェラーリ、そしてピニンファリーナにとっては重要な経験となったといえる。だが両車のスタイルは、612スカリエッティが古典的で優雅な曲面で構成されていたのに対して、599は前衛的な彫刻の如き鋭いラインで構成した、きわめてアグレッシブなものに仕上がっている。

 そのため、599とは異なるテイストの、いわば612スカリエッティに近い優しさを感じる12気筒ベルリネッタに乗りたいと願うカスタマーも、少なからず存在したはずである。かつてはそうしたカスタマーの要求に応えるために、イタリアではカスタマーが好みのボディをデザイン、製作し、シャシに組み合わせるカロッツェリアが数多く存在していた。

 フェラーリももちろん、かつてはカロッツェリアと友好的な関係を築いていたが、それはいつしか“ピニンファリーナ”と、という言葉に変わり、現在ではニューモデルのデザインも社内のデザイン・センターでおこなわれるようになった。

 そのようななかで、2月に開催されるRMサザビーズのパリ・オークションに出品されるのが、2009年にカロッツェリア・ザガートによって製作された「599GTZニッビオ・スパイダー・ザガート」だ。

Next日本人の好事家のオーダーから復活したザガート製フェラーリ
Gallery【画像】フェラーリコレクターが行きつくカロッツェリア別注モデルとは(17枚)

page

RECOMMEND