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「ボライド」のテクノロジーは、今後のロードモデルへフィードバックされる

 ブガッティは、複雑な3次元構造を持つコンポーネントを強化するために、この革新的な3Dプリンティング技術を「日常的に」使用している。バイオニクスの分野の原則を適用して、プリントされたコンポーネントに骨のような構造を与えるためだ。

  • 革新的な3Dプリンティング技術で数多くのパーツが作られているブガッティ「ボライド」

 さらに薄い壁、中空の内部、細かい分岐が各々のコンポーネントには備わっている。たとえば、ボライドのチタン製3Dプリントプッシュロッドは、わずか100gという重量で、最大3.5トンもの力を伝達できるようになった。

「考えられるすべての分野で革新的な機能を増やしながら、クルマの重量を減らし続けます」と、ヘンリック・ホッペは今後のプランを語るが、同時に「ブガッティは材料、製造プロセス、部品の面で最高品質基準を要求していますが、同時に商業的に実行可能な商品でなければなりません」とも、現実的な意見も付け加えている。

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 もう少し、ボライドのストイックなまでの軽量化を知る数字を紹介しよう。それは、ブガッティが3Dプリンティングの世界において、技術的リーダーであることの証でもある。

 2018年、世界最大の3Dプリントチタン部品であるチタンブレーキキャリパーがブガッティから発表されたのが、ブガッティにとっては初の3Dプリンティングの製品化といってもよいだろう。

 そして3Dプリンティングは、ボライドでブガッティの完全な技術的専門知識の妥協なき作品を象徴する技術ともなった。

 ブガッティの新技術責任者フランク・ゲッケは次のようにコメントしている。

「3Dプリンティングによって生み出されるコンポーネントは、非常に軽量で堅牢、かつ耐久性があり、生産車での使用に最適です。ブガッティのカスタマーは将来的に、ほかのモデルでこれらの最先端技術を見ることになるでしょう」

 ボライドのホイールは、モータースポーツで使用されるターボファンと同様に、さまざまな機能を有している。

 素材は超軽量マグネシウム合金で、ターボファンは厚さ0.48mmの3Dプリントチタンで作られたセンターボールと、カーボン製の内側のブレードを持つ0.7mm厚のカーボンプレートで構成され、ブレーキの冷却やフェンダー内からのエアの排出、リフトを最小限に抑えるために機能する。ちなみに後輪の18.25インチサイズ(前輪は14.25インチ)のターボファンの重量は、400gにも満たない。

 フロントウイング用の取り付けブラケットは、やはりブガッティによってプリントされたもので、重量は600g。この重量で800kgまでのダウンフォースに耐えることができるという。

 ビッグサイズのリアウイングは、320km/h時に最大1.8トンものダウンフォースを生むが、そのセンターフィンの内側には積層、およびプリントされたチタン部品が内蔵されており、それだけのダウンフォースに耐えるにも関わらず、重量はわずかに325gに抑えられている。

 ボライドは前述のとおり、公道走行が不可能なサーキット走行専用車だが、その先進的な技術を継承したモデルの誕生は、多くのカスタマーが望むところだろう。

 1850psの最高出力を誇る8リッターW型16気筒4ターボエンジン、わずかに1240kgの重量、0.67kg/psという驚異的なパワー ウエイト レシオと500km/h以上の最高速。

 繰り返すが、これは夢ではなく現実のスペックだ。そしてこのスペックを実現するための革新的な3Dプリンティング技術。現代の最先端自動車産業テクノロジーの結晶ともいえるのが、ブガッティ・ボライドである。

Gallery【画像】「ボライド」のヌード写真とは?(13枚)

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