Feb 26, 2020
【海外試乗】ベントレー「フライングスパー」をモナコで試す
2019年6月に欧州で発表されたベントレーの新型「フライングスパー」。デリバリーは2019年中を予定しているが、その前にモナコで試乗した模様を九島辰也氏がレポートする。
ショーファードリブンとしての素質がさらに進化した新型「フライングスパー」
2019年、創業から100年を迎えたベントレーは、グッドウッドやペブルビーチのイベントなどでお祝いセレモニーを開催した。100周年を記念したEVの「EXP100GT」も発表している。
ベントレーは電動化に積極的で、2023年までにはすべてのモデルにプラグインハイブリッドを、2025年には完全なEVを市販化すると発表。ベントレーは英国の伝統的なブランドで保守的なイメージが強いだけに驚きである。

●競合するドイツ勢に見劣りしなくなったインターフェイス
100周年という記念すべき年に、ベントレーから新たなモデルがリリースされた。「コンチネンタルGT」の4ドアサルーン版、「フライングスパー」だ。
ベースとなるコンチネンタルGTがフルモデルチェンジしたため、フライングスパーも新世代となったのだ。
その新型フライングスパーに、2019年10月4日試乗してきたので、そのレポートをお届けしよう。
メディア向け国際試乗会が行われたのは南仏コート・ダジュール。F1グランプリが開催されるモナコ公国を起点にその周辺が試乗ステージだ。山側にはオートルート(高速道路)のA8があるので、それなりのスピード域まで試すことができた。
まずスタイリング。フロントのイメージはクーペのコンチネンタルGTを残しつつ、セダンとなったことでフォーマルさを醸し出している。
ホイールベースは先代に比べて130mmストレッチされ、さらに威風堂々たるスタイルになった。
1950年代に生産されたベントレー「S1」のデザインを受け継いだリアフェンダーの膨らみは、只者ではないレーシーさをアピールしている。このリアフェンダーに収まる試乗車のホイールは21インチだったが、このサイズでもわざとらしく見えないのは、さすがフライングスパーである。
次にインテリアだが、インターフェイスが最新になっていることをまずはお伝えしておこう。
先代モデルは同価格帯のドイツ車と比べるとかなり見劣りしていた感は否めなかった。しかし「ベンテイガ」で刷新し、さらに新型コンチネンタルGT、そしてフライングスパーと一気に進化したようだ。

センターダッシュボードに配置されたメインディスプレイは、カスタマイズも可能な12.3インチのHDタッチスクリーンとなり利便性が増した。Apple CarPlayで簡単にiPhoneと接続し、メインディスプレイで操作が可能なうえ、モバイルフォンに便利なワイヤレス充電機能も装備されている。
またリアシートには、専用のタッチスクリーンリモートが用意されている。これで温度調節やブラインドの開閉、マッサージ機能の調整などが可能だ。ショーファードリブンとして使うとき大いに役立ちそうな装備である。