VAGUE(ヴァーグ)

スーパーカーは、ひとりの男の情熱から生まれる

 フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、あるいはポルシェ。これらのブランドと競合するために独自のスーパーカーを作り出すという計画は、現在ではあまりにも壮大すぎて、荒唐無稽にも思えてしまう。

 わずかひとりの人間のビジョンが、すでに確立されたスポーツカーやモータースポーツの歴史を持ち、それらに裏付けされた最新技術とマン・パワーを持つメーカーと、はたして競合することができるのか。常識的に考えれば、その答えはノーということになるだろう。

●2019 ケーニグセグ「レゲーラ」

  • まるで水中生物のようなシルエットを持つケーニグセグ「レゲーラ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 だが時に、かつてのランボルギーニがそうであったように、誰かがそのような偉業に挑み、成功させてみせるのもスーパーカーの世界だ。大量生産しなければコストが見合わない大衆車と違い、少量生産で高額なスーパーカーやハイパーカーだからこそ、ひとりの人間の情熱で現実のものになるともいえるだろう。

 今回VAGUEで紹介するスウェーデンのケーニグセグ社を設立した、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏も、まさにそのひとりだ。

 彼は幼い頃からスーパーカーに興味を抱き、その情熱を保ったまま1994年にスーパーカーメーカーであるケーニグセグ社を設立するに至ったのだ。

 設立から3年間で、ケーニグセグはカーボンファイバータブをベースとするプロトタイプを完成させる。そしてフォード製のV型8気筒エンジンをベースに、ツインターボを組み合わせるなどしたパワーユニットを搭載したプロトタイプの「CC(コンペティション・クーペ)」を完成させる。

 このプロトタイプは、1997年のカンヌ映画祭に展示され、ゲストやメディアから圧倒的に高い支持を得るに至った。その反響を見て成功を確信したケーニグセグは、スウェーデンの本社に戻ると、CCのプロダクションモデルたる「CC8S」の開発と生産にとりかかるのである。

Next桁違いの性能は、桁違いの落札価格となるか?
Gallery【画像】めったに見ることできない「レゲーラ」のディテールチェック(31枚)

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