時代が変わってもメルセデス・ベンツ「W124」がいまなお人気な理由【中古車至難】

次々と新型車が登場する自動車業界。とくに昨今は技術の進化が凄まじく、ひと世代前のモデルとなれば“時代遅れ”といわれることさえある。そんな現代においても人気の高いのが通称「124シリーズ」と呼ばれるメルセデス・ベンツのミディアムモデルだ。なぜいまだに124シリーズは人気があるのだろうか。

メルセデス・ベンツW124の中古車相場は?

 中古車マーケットで現在流通している124型メルセデス・ベンツEクラスの相場は、5リッターのV型8気筒DOHCエンジンを搭載したやや特殊なモンスターセダンである「500E(後期型はE500)」を除けば、下は約80万円で、上が約400万円といったところ。世代別およびボディタイプ別では、おおむね下記のとおりとなっている。

●セダン(W124)
ミディアムクラス(〜1993年):80万−300万円
Eクラス(1993年〜):80万−380万円

●ステーションワゴン(S124)
ミディアムクラス(〜1993年):100万−300万円
Eクラス(1993年〜):90万−400万円

●クーペおよびカブリオレ(C124およびA124)
流通量が少ないためN/A

●購入後の主治医の確保を

124シリーズにはセダンのW124のほか、エステートのS124(上)、クーペのS124(下)、このほかカブリオレもラインナップしていた(C)Mercedes-Benz AG

 1993年途中のマイナーチェンジで、それまでのミディアムクラスという呼称から、今日まで続く「Eクラス」という呼称になり、それと同時にエンジンをDOHC化しつつ、エクステリアも微妙にモダンなデザインへと小変更している。だがそのモダナイズがいまとなっては仇となり、こと人気の面では、よりクラシカルな雰囲気を持つ「ミディアムクラス」のほうが高いようだ。

 だが「ミディアムクラスかEクラスか?」というのは、ある意味どうでもいい問題で、真の問題は「車両それぞれのコンディション」だ。

 車両価格80万円級の底値系物件は──市場経済のメカニズムとして当然のことではあるが──内外装や機関部分に難がある個体も多いため、避けることが肝要となる。具体的には──もちろん一概にはいえない問題ではあるのだが──ミディアムクラスのセダンで「車両150万円以上」をイメージしながら探すのが得策となるだろう。

 だがその際に、「自分は潤沢な予算を有しているから、150万円なんていうシケたことはいわない。とにかく一番高いやつを買うぜ!」という人も一部にはいるはずだ。

 そういった最高値系物件は、確かに内外装のコンディションが非常によろしい場合が多い。それゆえ、とくにメンテナンスせずとも数年間は普通に乗れるはず……と考えるかもしれない。

 だが25年前あるいは30年前のクルマというのは、仮に走行距離が短めの「内外装美車」であっても、「そのまま普通に乗れる」と思ったら大きな間違いである。

 見た目はキレイでも(それはもちろん好ましいことではあるのだが)、ゴム製の緩衝材は硬化し、そのため場合によってはクラックが入り、そのままではまったく使い物にならなかったりもする。また同じくゴム製の各種ホース類やその他諸々の箇所にも、「歳月」は確実に深刻な影響を与える。

 つまり124シリーズの購入において本当に大切なのは、「底値系物件のプライスだけに目を奪われないこと」に加え、「腕と人間性に優れる主治医(工場部門を持つ専門販売店や、往年のドイツ車に強い専門工場)」を確保しておくことである。

 さらに加えて必要なのは、そういった主治医に「検診と治療を依頼するための、いくばくかの予算」を持っていることだ。

 だがしかし、そういった「主治医」さえいれば、124シリーズの部品代というのは(国産車のそれのように安いわけではないが)バカ高いわけでもないため、ごく普通にファーストカーとして使用するのも不可能ではない。

 もしも124シリーズを探すのであれば、クルマそのものだけでなく、そのあたり(メンテナンス面)の情報も逐一調査しつつ、話を進めていただきたい。そうすれば特段の困難なく、この名車とともにある暮らしを始めることができるはずなのだ。

Gallery:【画像】「最善か無か」の思想で作られた124シリーズとは?(15枚)