即ラリー参戦可能 アウディ「クワトロ」グループ4仕様は2000万円!

いまやハイパワーのスーパーカーでは当たり前となった4WDという駆動レイアウトを、モータースポーツとスポーツカーに最初に導入したのはアウディであった。そのアウディがWRCで圧倒的な強さを見せた「クワトロ」を紹介する。

購入後、すぐにラリー参戦できる「クワトロ」とは

 2020年10月末に開催されたRMサザビーズ社「LONDON」オークションに出品されたアウディ・クワトロは、「B2」のコードネームで知られる最初期のラリー仕様車である。

 FIAグループB規約の施行前年、1981年にグループ4仕様として製作された1台とされる。

●1981 アウディ「クワトロ グループ4」

2015年と2016年に「ラリー・ド・オート・プロヴァンス」などフランス国内のクラシックラリーに参戦しているアウディ「クワトロ グループ4」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby’s

 このB2時代のクワトロ・グループ4車両ではFIAの規制に準拠して、直列5気筒+ターボのエンジンに搭載されるボッシュKジェトロニック燃料噴射システムを再チューン。ツイン燃料ポンプや過給圧1.1barのKKKターボチャージャーなどの専用装備を加えて、300psオーバーまでスープアップしたとされる。

 今回の出品車両も、リヒテンシュタインに拠点を置くアウディ製スポーツエンジンのプロバイダー「レーマン(Lehmann)」によるフルサービスを2014年に受け、現役時代そのままのパフォーマンスを保持していているという。

 また公式WEBカタログによると、ZF社製5速マニュアルギアボックスと、デフロック機能を持つセンターデフを介して4輪すべてにトルクを分配する駆動システムも、フランスの競技用トランスミッションのスペシャリスト「マレル・エ・ペラン(Marrel et Pelin)」社により、2013年にオーバーホールされたとのことである。

 一方シャシもB2独自のスペックとされ、アイバッハ/アウディスポーツ製のマクファーソンストラットとビルシュタイン社製ダンパーを装備。4ピストンのブレーキキャリパーでストッピングパワーを増大させ、8.0J幅の専用ホイールと「トーヨーR888」ラリータイヤを着用する。

 さらにボディ内外も徹底的にオーバーホールされ、ストリップされたインテリアには専用製作のマルチポイント型ロールケージに、スパルコ6点ハーネスを装備したレカロのレーシングシートをセットする。

 加えて消火システム、およびラリーでは必須のトリップマスターとタイムラリーに必要なデジタルストップウォッチを含むカスタマイズを施し、ラリー競技のための準備は万端。

 フランスの国内登録だけでなく、2026年まで有効な「FIAテクニカルパスポート(HTP)」も取得済みで、近年では、2015年と2016年に「ラリー・ド・オート・プロヴァンス」などフランス国内のクラシックラリーで雄姿をみせている。

 もちろん競技ラリーへのエントリーは「ヘルメットを持参するだけ」というほど簡単ではないだろうが、ホイールやボディパネル、パワートレインなどの豊富なスペアパーツとともに、落札した次期オーナーに届けられることになっているという。

 このアウディ・クワトロ・グループ4に、RMサザビーズ社が設定したエスティメート(推定落札価格)は13万ポンド−14万ポンド。日本円換算で約1820万円−約1960万円とされていたものの、オンライン限定でおこなわれた競売では落札に至らず、現在では同社の営業部門で、個別の問い合わせを受けている。つまり、継続販売となっているようだ。

Gallery:【画像】ホンモノのラリーマシン、アウディ「クワトロ グループ4」のディテールをチェックする(26枚)