VAGUE(ヴァーグ)

跳ね馬オーナーへの近道である4シーターの系譜

 フェラーリは、その長い歴史のなかで、スポーティな2シーターモデルやコンペティツィオーネ(レースカー)のほかに、常に優美でエレガントな4シーターモデルをラインナップに設定してきた。

 参考までにフェラーリにとって初の4シーターモデルとなったのは、最初のシリーズモデルである「166インテル」で、そもそもコンペティツィオーネとして生を受けた166インテルをベースに、多くのカロッツェリアが独自の4シーターモデルをそのシャシに組み合わせ、その美しさを競った。

●1986 フェラーリ「412」

  • フェラーリ「412」のデザインはピニンファリーナが担当した(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 1950年代になると、一時4シーターモデルは姿を消してしまうが、1960年に「250GTE 2+2」として復活。

 以来ヨーロッパはもちろんのこと、フェラーリの4シーターモデルは、もっとも重要な輸出市場であるアメリカで高い人気を得ていくことになる。

 もちろんカスタマーのパワーに対する要求は、4シーターモデルに関しても同様である。そのため、フェラーリからは次々に高性能のV型12気筒エンジンを搭載した4シーターが生み出されていった。

 その流れで大きな転機となったのは、1972年に誕生した「365GT/4 2+2」だった。ボディデザインは、ピニンファリーナによる近代的な直線基調のものとなり、フロントには4.4リッターV型12気筒DOHCエンジンを搭載。最高出力は320psを誇った。

 ちなみにこのエンジンは、2シーターの「365GTB/4=デイトナ」のそれを、より扱いやすくチューニングしたもので、5速MTが組み合わせられた。当時の記録によれば、521台が生産されたとある。

 この365GTB/4 2+2は、1976年には排気量を4.8リッターに拡大し、5速MT仕様とともに3速AT仕様をラインナップした「400GT/400オートマチック」となる。

 さらに1979年になると、年々厳しさを増す排出ガス規制に適合させるために、ボッシュ製のKジェトロニックを採用したインジェクション仕様の「400i」へとモデルチェンジすることになった。

Next枯淡の境地、フェラーリ「412」とは
Gallery【画像】渋すぎるフェラーリ「412」とは(25枚)

page

RECOMMEND