2553万円は高くない!? BMW「M8コンペティション」が持つ究極の二面性

1990年に登場したBMW初代「8シリーズクーペ」からおよそ20年ぶりに復活した現行8シリーズ。日本では2019年7月に登場したのが今回試乗する「M8カブリオレ コンペティション」だ。BMWの量産モデルとしては最強の625ps・750Nmを発生する4.4リッターV8ツインターボを搭載するこのモデルは、究極のスポーツカーでもあり究極のラグジュアリーカーでもあった。自動車評論家こもだきよし氏によるレポートだ。

カブリオレでも高いボディ剛性で不快な振動は皆無

 ステアリングホイールの中に左右ふたつの赤色のMDM(Mドライブモード)ボタンがある。これはドライビングモードをプリセットしておけるもので、エンジン、ダンパー、ステアリング、ブレーキのセッティングをそれぞれ「エフィシェント」か「コンフォート」、「スポーツ」、「スポーツ+」にセットしておけば、サーキットやワインディングロードに行ったときにスイッチひとつ押すだけで最適なセッティングを呼び出すことができる。

BMW「M8コンペティション」のインパネ

 とはいっても、よほど乱暴な運転をしない限り、ダンパーもステアリングもコンフォートのままで十分だ。ただしエンジンはエフィシェントよりもスポーツにしたほうが、山道では元気よく走れるから楽しいかもしれない。

 M8では、コンペティションモデルにだけトラックモードが存在する。そのなかの「M xDrive」は、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)をオフにして4WDスポーツ、さらに後輪だけ駆動させるFRで走ることもできる。

 タコメータを見ると、6700rpmからイエローゾーン、7200rpmからレッドゾーンが始まる。とはいっても、普通に走る限り2000rpmも回せば十分に速く走れる。

 しかしもっとアクセルペダルを踏めば、エンジン回転が上昇するほどに分厚いトルクを感じる。アクセルペダルを床まで踏み込むと750Nmを感じることができるが、そんな強烈な加速でもホイールスピンすることなく走り出す。うまく躾けられた後輪駆動ベースの4WDである。

 幌を開け、オープンでワインディングロードを走るのは楽しい。屋根がないカブリオレでも、ボディ剛性はものすごくしっかりしていて、ユサユサするような動きやブルンブルンというような振動が残ることもない。

 パドルシフトを使って低いギアをキープしながら、つまりエンジンの高回転域を使いながらコーナーを立ち上がっていくときのエキゾーストノートもたまらなく良い。

 あるときは完璧なラグジュアリーカー、あるときは本格的なスポーツカーという二面性を1台で楽しめるとなれば、2553万円というプライスも安く感じるかもしれない。

BMW「M8コンペティション」の走り

●BMW M8 Cabriolet Competition
BMW M8 カブリオレ コンペティション

・車両価格:2553万円
・試乗車オプション込み価格:2797万3000円
・全長:4870mm
・全幅:1905mm
・全高:1350mm
・ホイールベース:2825mm
・車両重量:2030kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
・排気量:4394cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:625ps/6000rpm
・最大トルク:750Nm/1800-5860rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・乗車定員:4名

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