高性能モデルはなぜ必要? VW最強ホットハッチ「ゴルフR」に乗って考えた

ドイツ本国ではすでに2019年に8世代目に進化したVW「ゴルフ」。高性能版「ゴルフGTI」や「ゴルフR」も本国ではすでに新型が登場している。日本では2021年にもフルモデルチェンジがおこなわれるというタイミングで、最強バージョンのゴルフRにあらためて試乗した。

モデル末期でもなお存在感を誇る「R」の称号

 ホットハッチの象徴的存在である「ゴルフGTI」のさらに上に、VWが「R」の名のつく高性能版を据えたのが2003年のこと。

 ゴルフ4をベースに自然吸気の挟角V6エンジンを搭載し、その排気量が3.2リッターだったことに由来する「ゴルフR32」というネーミングも含め、ゴルフに新たな時代が訪れたことを印象深く記憶している。件のR32は、続くゴルフ5にもラインアップされた。

 その後継となるゴルフ6の頂点に位置するモデルが2010年に登場した際には、エンジンが2リッターの直列4気筒直噴ターボとなり、シンプルに「R」の名称が与えられた。そして初代「ゴルフR」が2013年に短いモデルライフを終えてほどなく、MQBを採用したゴルフ7をベースに、2014年に設定された2代目ゴルフRがこちらである。

VW「ゴルフR」の走り

 登場以降、ホンダ「シビックタイプR」やルノー「メガーヌR.S.トロフィー」などFFで300psオーバーとか、メルセデスAMG「A45 S 4MATIC+」のようなリッター210ps超の最高出力421psを発揮する2リッターターボエンジンを積む超弩級のホットハッチが出てきたりして、ゴルフRの存在感がやや薄れた感じもあるが、もちろん位置づけはゴルフの最強版であることは変わらない。

 見た目はゴルフそのものとはいえ、内外装が特別に仕立てられたゴルフRは控え目ななかにも独特の凄みを感じさせる。

 価格は590万9000円と、GTIの高性能版である「GTIパフォーマンス」の483万9000円に対し107万円ばかり高く、2リッター直列4気筒ターボのスペックは最高出力が310psで最大トルクが400Nmと、それぞれ65psと30Nm上回る。

 むろん「4MOTION」を組み合わせており、4WDゴルフRとFWDのゴルフGTIパフォーマンス、という大きな違いもある。

 参考まで、車検証によると車両重量はゴルフRが1510kg、ゴルフGTIパフォーマンスが1430kgで、内訳は前軸重が910kgと900kgとほぼ同等、後軸重が600kgと530kgと、リアに成人男性ひとりぶん程度の重量差がある。

VW「ゴルフR」(右)とVW「ゴルフGTIパフォーマンス」(左)

 ドライブモードの選択肢が、ゴルフGTIではスポーツモードのところをレースモードとしているのもゴルフRらしい。

 実際、ゴルフGTIのスポーツモードは、公道で普通に乗るぶんにもスポーティなテイストを味わえるのに対し、ゴルフRはノーマルモードからしてスポーツモードのような雰囲気で、レースモードにすると公道で使うには適さないほどアクセルのゲインが高くなる。やはりクローズドコースに向けた設定ということのようだ。

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