新車のベントレー「ブロワー」が90年ぶりに完成!

ベントレーのコンティニエーション・シリーズ第1弾となる「ブロワー」の復刻生産試作車である「カーゼロ」が完成した。90年も昔のクルマをどのようにして新たに創り出したのか、その一部始終を紹介する。

数千パーツをすべてデジタル化

 ベントレーマリナーが4万時間をかけて製作した新しいベントレー「ブロワー」が2020年12月9日に公開された。新たにブロワーを製作するのは実に90年ぶりとなり、「ブロワー・コンティニュエーション・シリーズ」の復刻生産に先駆けて発表されたこのプロトタイプは「カーゼロ」と名付けられた。

ブロワーのシンボルであるヘッドライトは、シェフィールドにあるビンテージ・ヘッドランプ・レストレーション・インターナショナル社によって再現された

 カーゼロに続いて製作される12台の復刻モデルはすでに完売。その製作には、1920年代後半にオリジナルブロワーが製造されたときの図面と治工具が使用される。

 オリジナルモデルは、ヘンリー”ティム”バーキン卿のレースチームのために製造された4台のなかでベントレーが所有する2号車(シャシ番号「HB3403」、エンジン番号「SM3902」、ナンバー「UU5872」)である。この車両を、コンティニュエーション・シリーズのために分解し、すべての部品を残らずレーザースキャンするところから、このプロトタイプの製作はスタートした。

 収集したデータをもとに、新たなブロワー用のパーツ1846個が設計され、手作業で製作。ただし、そのうち230個はアッセンブリーであり、そのなかにはエンジンも含まれているので、ねじやインテリアトリムなどの個々のパーツを含めると、実際には数千のパーツが製作されたことになる。

 こうしたパーツやアッセンブリーは、ベントレーマリナープロジェクトチームのエンジニア、職人、テクニシャンが英国内のスペシャリストやサプライヤーらと協力して作り上げたものだ。

 カーゼロは12台の復刻モデルに先駆けて、開発・試験用に製作されたプロトタイプであり、今後数か月かけて耐久試験と性能試験が実施されることになっている。

 エクステリアはグロスブラック、インテリアはブリッジ・オブ・ウィアー社製のオックスブラッドと呼ばれる赤いレザーを採用している。

 また、このカーゼロの発表に伴い、ベントレーモーターズがクルーに建設した新施設も初公開された。新施設は1946年からベントレー本社が置かれているピムズレーン一帯の大規模な工事を含め、本社敷地を拡張する形で建設されたもので、将来に向けて重要な役割を果たす施設となる。

 発表会でカーゼロのドライバーを務め、ピムズレーンを走行したベントレーモーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは次のようにコメントしている。

「本日はブロワー・コンティニュエーション・シリーズの初公開という大切な日であると同時に、ベントレーモーターズにとっても記念すべき日となりました。90年ぶりに製作されたブロワーを運転できたことは大変光栄であり、ティム・バーキン卿もこのクルマの出来栄えに満足してくれることと思います。

 このクルマのクラフトマンシップは実に素晴らしく、一世を風靡したオリジナルブロワーの走りが正確に再現されていたことをご報告させていただきます。

 このブロワーでピムズレーンを走行でき、喜びもひとしおです。ベントレーはこのたび、ピムズレーンの本社敷地を拡張し、新施設を建設いたしました。

 本社の拡張はベントレーの未来にとっても、クルーという地域にとっても大変意味のあることです。新施設は明るい未来に向けた具体的戦略のひとつであり、サステナブルなラグジュアリーモビリティにおける世界的リーダーを目指していく上で、重要な足がかりとなります」

Gallery:【画像】新車で蘇った90年前のベントレーを詳しく見る(18枚)