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470万円で落札!! 「ランエボ6」は新車当時よりも高値がつく名車だ!

三菱が世界に誇った「ランエボ」はどんなクルマ?

 三菱「ランサーエボリューション」は、日本が誇るスポーツカーの1台だ。

 E38/39A型「ギャラン」によってWRCの世界に再参戦した三菱は、勝利するためにはコンパクトなボディであることが必要であると判断。ギャランに搭載されていた4G63型2リッター直列4気筒ターボエンジンと、FFベースの4WDシステムをそのまま、ひと回り小さいボディであるCD型ランサーに搭載し、CD9A型「ランサー・エボリューション」として1992年に発売。これがランエボの初代となるモデルだ。

●1999 三菱「ランサーエボリューション VI RSX」

  • 競技用として仕上げられている三菱「ランサーエボリューション VI RSX」(C)SILVERSTONE AUCTIONS

 当時このランエボは、2500台の限定発売とされていたが、発売から3日ほどで売り切れてしまい、後に2500台が追加販売されることとなった。

 さらに1994年には、CE9A型「ランサーエボリューションII」を発売。初代ランエボで不評だった「曲がらない」という弱点を、サスペンションの見直しによって改善し、タイヤサイズの適正化やエンジンの260psへのパワーアップなどが施されている。1995年のスウェディッシュラリーでは、ランエボとして初のWRC優勝も果たした。

 翌1995年には、CE9A型「ランサーエボリューションIII」が登場。このころになるとオーナーは、「毎年新しいエボが出るんだな」とはっきりと認識するようになる。かくいう筆者も、かつては初代エボのオーナーだったわけで、エボ2が出たときはどこか悔しかったものだが、エボ3以降は逆に「こんな進化をしてきたか」と楽しめるようになった。

 このエボ3は、外観では開口部が大きくド派手なフロントバンパー、そして圧縮比が高くノーマルでもの凄く速い270psエンジンの搭載など(つまりチューニングには向いていなかった)、トピックが多い。さらにこのエボ3は、はじめてWRCの総合チャンピオンとドライバーズタイトルをトミ・マキネンが獲得することなったモデルでもある。

 その後ランエボは、ベースとなるランサーのモデルチェンジにともなって、ボディが変更となる。

 まず1996年に登場したのがCN9A型「ランサーエボリューションIV」だ。逆回転方向に搭載されていた4G63型直列4気筒ターボエンジンを、正回転方向に積むことでカウンターシャフトの役割を持ったインターミディエイトギアを無くし、レスポンスが大幅に向上している。

 1998年に発売されたCP9A型「ランサーエボリューションV」は、WRカーに対抗すべく、ワイドトレッド化を実現したものだ。タイヤサイズもそれまでの205幅から225幅へと拡大し、ブレーキシステムにブレンボ社製を採用したのも、このモデルからだ。

 WRCでは、改造範囲が広いWRカーを相手に、グループA規定マシンながら、マニュファクチャラー/ドライバー/グループNの3つの部門でチャンピオンを獲得している。

 1999年に発売されたCP9A型「ランサーエボリューションVI」は、空力をメインとした改良が施されたものだ。ナンバープレートがオフセットされたのは、このエボ6が最初となる。またエボ5では、ストリートでの乗り味が硬いといわれていたため、エボ6ではフロントサスペンションのロールセンター軸を下げて対処している。そのため乗り心地はいいが、競技では動きのシャープさが失われてしまうという弱点があった。競技ベース車のRSグレードでは、オプションでロールセンター軸をエボ5と同じにすることもできたほか、RSのタービンブレードはチタン製となっている。

 さらにこのエボ6には、2000年に「ランサーエボリューションVIトミマキネンエディション」、通称「エボ6トミマキ」が追加販売された。ターマックでの走行を意識したフロントバンパーの形状変更やフォグランプの廃止、ローダウンした専用サスペンションの採用、新型チタンタービンの採用などにより、レスポンスのいい走りを実現している。

 以降ランエボは、「ランサー・セディア」をベースとしたCT9A型「エボ7/8/9」、新設計されたガソリン直噴エンジン、4B11型2リッターターボを搭載した、CZ4A型「ランサーエボリューションX」と進化を続けていき、2015年に販売が終了する。

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