VAGUE(ヴァーグ)

ロールスが考える「贅沢のその先」とは?

 新型ゴーストのコンセプトは、「Post Opulence(ポスト・オピュレンス:豪華絢爛のその先→贅沢からの脱却)」。

 世界でもっとも高級な自動車ブランドであるロールス・ロイスの新型車として開発され、先代以上に豪華な装備をふんだんに投入されているにもかかわらず、これまでのステレオタイプ的な贅沢の観念からの脱却を目指したという。

●ポスト・オピュレンス”はR-Rの原点回帰?

  • ロングノーズとスモールキャビンを強調した美しいスタイルから受ける印象のとおり、パーソナルカーとしても至高の1台

 この、まるで禅問答のようなコンセプトは、旧来のラグジュアリーカー観から一歩進んだデザインワークに生かされることになった。

 今回、自然光のもとで初めて目の当たりにした新型ゴーストのボディは、先代に比べるとはるかにシンプルなディテールで構成され、プロポーションの美しさがさらに際立つものとなっている。

 緊張感のある「線」と緩やかな張りのある「面」で構成されたボディラインは、少々煩雑にも映るようなキャラクターラインが溢れかえる現代の高級車のなかにあって、まさしく孤高の美を感じさせてくれた。

 そして「ポスト・オピュレンス」なテイストは、インテリアについても然りといえよう。

 かつてのパートナーであり、今では最高の好敵手となったベントレーの「フライングスパー」が、その出自であるスポーツカー由来のダイアモンドキルトで仕上げたレザーハイドを好んで用いる傍らで、新型ゴーストはシンプルな構成のレザーハイドを採用。サラリとした触感も相まって、近年の超高級車としては稀なカジュアル感さえ醸し出している。

 そこで筆者が思い出したのは、往年のロールス・ロイスの名作たちに共通する「贅沢さ」である。

 ゴーストは1922年に登場した「20Hp」に端を発する、R-Rファンいうところの「ベイビー・ロールス」を起源とするモデル。

 その後「20/25HP」「25/30Hp」そして「レイス」へと発展しつつも、名門コーチビルダーによって架装されたアルミ製ボディの大部分は、旧き良き英国的アンダーステートメントに裏打ちされた、控えめな美しさを身上としたものだったと認識している。

 またインテリアについても、本革レザーやウッドキャッピングなどに最上級のマテリアルをこれでもかとばかりに投入しつつも、基本のデザインはシンプル。誤解を恐れずにいうならば「簡素」とも受け取れるような空間づくりがおこなわれてきた。

 もちろん、現代のグッドウッドR-Rが主張する「ポスト・オピュレンス」は、あくまで現代、あるいは近未来のカスタマーたちが求めるミニマリズム的な発想からスタートしたものとのことである。

 しかし、それが往年のロールス・ロイスを連想させてしまうようなテイストとして実現された。いわば、結果的な原点回帰が図られたかに見えてしまったのである。

 ただし、現代のグッドウッドR-Rではデフォルトと化しつつある「ビスポーク・コレクティブ」をセレクトすれば、我々がおおよそ考えつきそうなあらゆる豪華装備も思う存分に盛り込むことができるという点においては、これまでのゴーストと同じかそれ以上であることも記しておかねばなるまい。

 たとえば今回の試乗車両でも、光ファイバーが天井に星空を描く「スターライト・ヘッドライニング」や、助手席側ダッシュボードに「GHOST(ゴースト)」の文字に加えて、850もの光ファイバーによって構成された星座をきらめかせられる「イルミネーテッド・フェイシア(新型ゴーストで初設定)」まで装備。

 ミニマリストの境地とはほど遠い、筆者のような「オピュレンス」好きを楽しませてくれたことも、ここに明示しておくことにしよう。

●ROLLS ROYCE GHOST
ロールス・ロイス・ゴースト
・車両価格(消費税込):3590万円
・全長:5545mm
・全幅:2000mm
・全高:1570mm
・ホイールベース:3295mm
・車両重量:2540〜2590kg
・エンジン形式:V型12気筒DOHCツインターボエンジン
・排気量:6748cc
・エンジン配置:フロント縦置
・駆動方式:4輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:571ps/5000rpm
・最大トルク:850Nm/1600rpm
・0-100km/h:4.8秒
・最高速度:250km/h(リミッター)
・燃料タンク容量:83L
・タイヤ:(前)255/50R19、(後)285/35R19

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