ウィズコロナ時代のカーイベントとは? アバルトデイに見る新たな車の楽しみ方

毎年開催されるサソリの祭典「アバルト・デイ」。2020年は新型コロナウイルス感染予防のため、これまでとは趣向を変えた内容で開催されたが、ウィズコロナ時代の新しいカーイベントのあり方を示唆する内容であった。

アバルトに乗って、会場に向かうときからイベントは始まっている!

 2020年の春夏は、コロナ禍のために観客が大勢詰めかけるイベントが軒並み中止または延期になった。それはクルマに関連するイベントも同様であった。しかし、極めてパーソナルな空間をキープできるクルマの特性を活かすことで、これまでとはまったく違ったカーイベントも開催されつつある。

 2020年11月7日に開催された「アバルト・デイ2020」は、まさしくソーシャルディスタンスを考慮した、ウィズコロナ時代の新たなカーイベントであったので、当日の模様を含めてレポートしよう。

アバルト・デイ2020でお披露目された「アバルト595スコルピオーネオーロ」

 年に1度開催される「アバルト・デイ」を楽しみにしているオーナーやファンも多いだろうが、今年は例年の富士スピードウェイではなく、大磯ロングビーチにステージを移しておこなわれた。

 ただし、事前にインターネットなどでの申込みが必要となり、抽選で200名(200台)のアバルトオーナー(とアバルト車)が招待されるという形式であった。1台のアバルトには、同伴者が1名入場可能であったので、パートナーや友人と来場するオーナーが多かったようだ。

 大磯ロングビーチに集まったアバルトを見ると、関東地区だけでなく中部地区や関西地区の車両ナンバーもちらほら。年に1度のサソリの祭典を日本全国のオーナーが楽しみにしている証拠にほかならない。

 さて、実は日本各地から大磯ロングビーチを目指してやってきたアバルトオーナーたちは、すでにその道中からイベントが始まっていた。イベント申込抽選に当選したオーナーには、メールで当選の報せが届くのだが、そのメールから専用紙をプリントアウトして、大磯に向かう道中にある「道の駅」「サービスエリア」のいずれか1か所でスタンプを捺すスタンプラリーが始まっているのだ。

 そして愛車と一緒に写真を撮影し、「#ABARTHDAYS_2020」「#アバルト」の指定ハッシュタグをふたつ付けてSNS(Twitter、Facebook、Instagram)に投稿。

 大磯ロングビーチの会場受付で、「スタンプ」とSNSへの「投稿画面」を提示すると、アバルトオリジナルグッズがプレゼントされるという趣向が凝らされていた。会場に到着する前からイベントを楽しめる仕組みだ。

 会場となる駐車場では、参加車両は海を背にしてステージに向かうように綺麗に並べられたのだが、これにも理由があった。ステージでおこなわれるトークショーやプロマジシャンのセロ氏のマジックを、クルマの中から楽しむためである。ステージから遠いクルマでも巨大スクリーンの映像でステージ上の様子がわかり、ステージ上の音声はFMラジオを通して車内で聴けるようになっていた。そして観客は拍手の代わりにヘッドライトをパッシングして会場を盛り上げた。

 毎回、限定モデルが日本初公開されるのもアバルト・デイの楽しみのひとつなのだが、今回はその登場がセロ氏のイリュージョンのひとつとなっており、マジックと限定モデルを同時に楽しむことができた。

 またセロ氏はビンゴゲームを使って、来場したアバルトオーナー全員が驚くマジックを披露するなど、来場者がショータイムをエンジョイできるイベントだったのが印象的だった。

 このほか入場制限を徹底していた「アバルト・ミュージアム」では、ここでしか見ることができないような貴重なヒストリックカーを間近でゆっくり見ることもでき、アバルトをたっぷり満喫できる1日だった。

 ウィズコロナだからこそ、いかにクルマを使って楽しめるのかという逆転の発想から生まれたイベントは、当日の天気もよかったこともあり成功裏に終了。

 これまでのカーイベントといえば、クルマ好きならばオーナー同士の交流やクルマを眺めるだけでも十分に楽しめるものであった。しかし、ウィズコロナ時代においては、主催社側はまったく異なる楽しみ方を来場者に提供しなければならない。

 この意味において、今回の「アバルト・デイ2020」は、今後のアバルトのイベントが楽しみに思えるほどの経験価値をもたらしてくれるものだった。

 イベント閉会後、「チャオー!」と大勢のアバルトのスタッフの笑顔で見送られるのは、アバルト・ファミリーの一員でよかったと、オーナーならば思う瞬間に違いなだろう。

Gallery:【画像】限定モデル「アバルト595スコルピオーネオーロ」とは?(43枚)