空軍パイロットに捧ぐ! 3億6000万円のブガッティ「シロン・スポーツ」とは

ブガッティで活躍し、かつて空軍パイロットでありレーシングドライバーであったレジェンドへのオマージュとして、限定20台の「シロン・スポーツ・レジェンデ・ドゥ・シエル」を発表した。

ブガッティとフランス空軍との関係とは

 2020年11月24日、ブガッティが「シロン・スポーツ」をベースとした20台限定の「Les Légendes du Ciel(レジェンデ・ドゥ・シエル)」を発表した。ブガッティに縁のあるパイロットたちの偉業を称えるモデルである。

前世紀の航空機コックピットをイメージして仕上げられたブガッティ「シロン・スポーツ・レジェンデ・ドゥ・シエル」のインテリア

 どうしてブガッティが、レースではなくて空の世界にインスパイアされた限定モデルを製作するのだろうか。

 車名となった「Les Légendes du Ciel」は、直訳すれば「空の伝説」。1920年代から1930年代にかけてブガッティで活躍したレーシングドライバー(アルベルト・ディーヴォ、ロベール・ベノワ、バルトロメオ・コンスタンティーニ)たちは、もともとフランス空軍に所属したパイロットであった。彼らの業績と伝説を称えた限定モデルが、レジェンデ・ドゥ・シエルなのである。

 さらに付け加えておくと、地中海横断飛行に初めて成功した伝説的な飛行家であるローラン・ギャロスも、プライベートではブガッティ「タイプ18」を所有し、陸上においても空を飛ぶように速く走らせていたという。

 ブガッティの創設者であるエットーレ・ブガッティは、スピードに魅せられたパイロットたちの大胆不敵な性格と専門知識を賞賛し、それらを吸収していった。ブガッティのレーシングドライバーたちは、航空機のコックピットで得た経験を、レースにおいておおいに役立てたのである。

 そして逆に彼らは、飛行機のように機敏で軽量、そして速いブガッティのクルマに魅了され、エットーレ・ブガッティを賞賛したのだ。ローラン・ギャロスに至っては、エットーレ・ブガッティのことを「鋼鉄に命を与える芸術家」と呼ぶほどであった。

 エットーレ・ブガッティは常に航空機にインスパイアされており、1915年頃には自ら航空機エンジンを設計。1937年からは速度記録用の航空機の開発をおこなっていたほどであるが、第二次世界大戦の勃発により、そのプロジェクトは中止されてしまった。エットーレ・ブガッティは、生涯を通じてパイロットたちと個人的な関係を続けていたといわれている。

 では、レジェンデ・ドゥ・シエルの詳細をエクステリアとインテリアに分けて解説しよう。

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