VAGUE(ヴァーグ)

タイムマシン仕様のベースにするにはもったいないコンディション

 DMC−12が脚光を浴びたのは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)』でタイムマシンとして登場したことがきっかけとなっている。

 それまでは販売台数も少なく、「あまり見ないステンレスボディのクルマ」というマニアックな興味を惹くモデルでしかなかったのだが、BTTFによって一気に知名度が高まった。その結果、中古車市場での価値も上昇することになる。

●1981 デロリアン「DMC-12」

  • 傷みも少なくコンディションの良いデロリアン「DMC-12」のコックピット(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 さらに、BTTFのイメージもあって、エンジンを降ろしてバッテリーやモーターを積んだEV化のベース車となったり、オリジナルモデルを手に入れたのち、BTTFのタイムマシン仕様へとカスタムをする事例も多く、クルマ好きや映画好きなど、いまでもさまざまな人がDMC−12を探しているようだ。

 今回紹介するRMサザビーズのオークションに登場したDMC−12は、1981年に製造されたシャシナンバー5581の1台だ。ミッションは5速MTも用意されていたが、このクルマは3速ATを搭載。走行距離は1万2396マイル(約1万9800km)と少なく、エアコンやパワーウインドウも装備されている。

 インテリアはグレーのレザーで張り替えられているため、シックなイメージが強く、ヤレなどはまったく感じられない。付属品として、新車当時の保証書やオーナーズマニュアル、パーツマニュアルなども付属しているという点はポイントが高い。

 かつてフロリダにあった、「ヴェルデ・クラシック・オートモーティブ・ミュージアム」のコレクションの1台だったという履歴もあるこのDMC−12、予想落札価格は3万−3万5000ドルだったのに対し、落札額は5万8800ドル(邦貨換算約610万円)であった。

 ちなみに、BTTFでは時速88マイル(約140km/h)で走行しているとき、次元転移装置に高電流を流すとタイムトラベルが可能となるが、実際のDMC-12もその速度なら十分に出すことは可能だ。といっても、性能的にはスポーツカーのような、強烈な加速でというわけではなく、ごく普通のクルマと同レベルの加速力でしかない。

 この点が残念ではあるが、逆にBTTFのなかでの強烈な加速の表現が、「そんなのありえないよ」という笑いどころのひとつともなっている。

Gallery【画像】美車!! デロリアン「DMC-12」のディテールを詳しく見る(25枚)

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