シューティングブレークもあった! ザガートとアストンマーティンのコラボ「ヴァンキッシュ」2選

ザガートはアストンマーティンと古くからコラボレーションしているが、モダン・アストンマーティンとも傑作を生み出している。そこで、「ヴァンキッシュ」をベースとした「ザガート・シューティングブレーク」と「ザガート・ヴォランテ」の2台を紹介しよう。

ザガート製オープンモデルの方が評価が高いのか?

 同じボナムズ社の欧州本社が、スイス・ジュネーヴ近郊の小さな村、チェセレックスの特設会場に出品車両を集め、9月20日に開催されたオンライン/対面型併催のオークション「BONHAMS The Bonmont Sale 2020」では、ヴァンキッシュ・ザガートのコンバーチブル版「ヴォランテ」を出品。

 大西洋を挟んだふたつのボナムズが、図らずも近い時期に2台のヴァンキッシュ・ザガートをオークションに登場させることになった。

●2018 アストンマーティン「ヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ」

新車価格は1億円を超えたといわれているアストンマーティン「ヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ」のエスティメートは、約7400万円−8600万円(C)Bonhams 2001-2020

 ヴァンキッシュ・ザガートのドロップヘッド・クーペ版「ヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ」は、クーペのデビューから3ケ月後となる2016年8月に、北米「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」において発表された。

 アストンでは「DB6」時代初期に「DB5ドロップヘッド・クーペ」をベースに「DB6」のディテールを与え、わずか37台が製作された「アストンマーティン・ヴォランテ(通称ショートシャシ・ヴォランテ)」以来、コンバーチブル版をヴォランテと呼ぶようになった。

 そしてヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテは、一定数が量産されたザガート製スペシャルモデルとしては、1980年代末の「V8ザガート・ヴォランテ」以来、実に約30年ぶりとなるヴォランテでもあった。

 今回のオークションに出品された個体は、2018年に99台中45番目に製作されたとのこと。スイス国内にデリバリーされ、オドメーターに示される走行距離は約1500kmに過ぎない。

 また、2+2シートに代表されるアストンマーティン「Q」によるスペシャルオプションも数多くセレクトされるなど、この上なくエクスクルーシヴな1台といえよう。

 ボナムズ社が現オーナーとの協議の結果として設定したエスティメート(推定落札価格)は、65万−75万スイスフラン。これは、現在の日本円に換算すると約7400万円−8600万円に相当する。

 ところが9月20日におこなわれた競売では、1か月前の「Quail Motorcar Auction」におけるシューティングブレークと同じくリザーヴ(最低落札価格)に及ばず、残念ながら流札。こちらも現在では、欧州ボナムズ営業部門による継続販売となっている。

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 2020年8月から9月のボナムズ・オークションでは、「ヴォランテ」と「シューティングブレーク」双方のヴァンキッシュ・ザガートともにビッド(入札)が進まなかったのだが、その理由として考えられるのは、新型コロナウイルス禍によって国際マーケットの行く末が不透明となっていることも、間違いなく挙げられるだろう。

 しかし、それ以上に大きな要因になり得るのが、それぞれ99台というこの種のスペシャルモデルとしては比較的大きなロットで製作されたことと考えられる。

 総計325台のヴァンキッシュ・ザガートは、発表された直後にはすべて完売御礼となったといわれていることから、新車としてのビジネスについては大成功を収めたと見て間違いあるまい。

 しかし製作からまだ数年の段階では「クラシック」とはなり得ず、しかも市場が求める希少価値については、ほかのザガート製アストンたちと比べるといささか分が悪い。

 したがって、世界限定28台のみが作られた「スピードスター」をのぞくヴァンキッシュ・ザガートの価格にプレミアムがつくとすれば、それは一定の期間を経てからのことになると思われるのである。

Gallery:【画像】世界に99台限定のザガートとアストンのコラボモデルとは?(36枚)