北欧ロフォーテン諸島をイタリアン・スーパーカーで旅する

自然豊かな北欧の国ノルウェーのなかでも、とりわけ美しい景観を誇るロフォーテン諸島。フィヨルド特有の切り立つ山々が海に面している地形を縫うように走っている道を、ランボルギーニ・ウラカンEVOで辿る旅をお届けします。

ランボルギーニ・ウラカンEVOでノルウェーのロフォーテン諸島の絶景を走る

 消費の中心が“モノ”ではなく“コト”に移りつつある。という類の記事を見ない日はない。確かにそうかもしれないと思わされたのは、ランボルギーニの「Avventura 2019」というイベントに参加したからだった。
 Avventuraというのはイタリア語でAdventure(冒険)のことで、ランボルギーニで辺境の地をドライブして非日常感を楽しもうというイベントだ。
 舞台となったのは、ノルウェーのロフォーテン諸島。ロフォーテン諸島は、ノルウェー海にある島々と付随する半島のことで、北緯67度から68度の北極圏に位置している。

ロフォーテン諸島は、氷河が作った典型的なフィヨルド地形。切り立つ山々が海岸線をつくっている

 翌朝、ランボルギーニ・ウラカンEVOで走り出した。ウラカンEVOは、「ウラカンLP610-4」の発展版で、最高出力640馬力/8000回転、最大トルク600Nm/6500回転を発生する排気量5.2リッターの自然吸気のV10エンジンを搭載している。ツインクラッチタイプの7段ATで4輪を駆動し、4輪が操舵される。
 そのV10エンジンは重低音でアイドリングを続け、アクセルペダルを少し踏んだだけで鋭く吹き上がる。音とレスポンス。ランボルギーニの魅力は、個性的なスタイリングによる強烈な存在感と、まるで野獣を一匹飼っているかのようなこのエンジンの官能性、そして抜群の超高性能にある。

 ハーシュタットの街からロフォーテン諸島を海岸線沿いに走って南西に進んでいく。入り組んだ海岸線を走っていくから、ウラカンEVOの外に見える海が右側になったり左側になったり変わっていく。海と反対側は切り立った巨大な岩山がどこまでも連なり、その麓に沿って走っていく。地形と道路は複雑で、一度として同じ光景に直面することがない。
 コーナーをひとつ回っただけでダイナミックにフロントウインドウの向こうの景色が変わっていく。絶景に次ぐ絶景。こんな道は走ったことがない。確かに、これは“冒険”だ。

馬力アップはもちろんのこと、ハンドリング性能なども向上したウラカンEVOは、快適性や使い勝手も同じく向上しているので、ロングツーリングでも疲れない

 ヘニングスヴァールという小さな港町に着いて、ランチ。新鮮なシーフードが、とても美味しい。ロフォーテン諸島は静かで穏やかな町や村ばかりが続くが、このエンジン音を聞くと住民たちも笑顔で拍手喝采だ。スマートフォンの撮影が止まらない。ランボルギーニというクルマは存在じたいが非日常性を体現しているから、自分のためというよりはオーディエンスのために乗っているような気にさせられる。
 驚かされるのが、快適性の高さだ。どんな路面からのショックも巧みに吸収し、乗り心地が良い。スポーツカーの乗り心地が粗野だったのは、完全に過去の話になった。

 それにしても、この5.2リッターV10エンジンのレスポンスの鋭さと排気音の響きの甘美なことといったら、他に類がない。重低音から高音まで、さまざまな音色が混じり合った管楽多重奏団が頭の真後ろ至近距離で演奏しているかのようだ。
 ロフォーテン諸島の道は高速道路ではないので、ウラカンEVO の持つ超高性能の半分も引き出せない。しかし、スポーツカーは速く走れば楽しいというものではないことも、またウラカンEVOは教えてくれる。機械を操り、機械と一体化したかのような快感を覚えさせてくれる。このクルマは強くて大きな魂を持っている。

いまロフォーテン諸島で人気の宿泊施設は、漁師小屋を改装したホテル

 ウラカンEVOで400km近く走った日の晩は、ヌスフィヨルドという海沿いの村に泊まった。ホテルは、漁師の番屋を外観はそのままに、中をキレイかつオシャレに改めたもので、部屋もレストランもバーも、とても快適だった。そのアイデアはそのホテルだけのものではなく、他でも多く見たから、ロフォーテン諸島の名物なのだろう。
 名物といえば、ここの何よりもの名物はフィヨルドだ。陸地の奥まで深く切り込んだ入江が無数にある。その両岸は切り立った絶壁の岩山が無数に連なっている。

Gallery:【画像】絶景に次ぐ絶景、ロフォーテン諸島を旅する(18枚)