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市販車でターボを装着したのはBMW「2002ターボ」だった!

 すでにレースで使われていたターボ技術を応用し、市販される自動車のレギュラーモデルとしてターボエンジンを初めて搭載したのが、1973年に登場したBMW「2002ターボ」だった。

 国産車では1979年、日産430型「セドリック/グロリア」がターボエンジンを搭載。「スカイライン」や「ブルーバード」にもターボエンジンを搭載したモデルを設定することで、当時はターボの日産、ツインカムのトヨタ、などといわれていた。

  • 市販車でターボを搭載した最初のクルマは、ポルシェ「911ターボ」ではなく、BMW「2002ターボ」だった

 現代では、ターボによって空気のみを圧縮し、燃料はシリンダー内部に直接噴射することで異常燃焼を防ぐ技術や制御方式が発達したことから、小排気量エンジン+ターボという組み合わせで大排気量車並みの出力を得るダウンサイジングコンセプトを採用したエンジンが自動車用エンジンのメインストリームとなっている。

 ちなみに、気体というのは圧力を掛けると熱を発生する、という性質がある。機動戦士ガンダムの第5話で、ザクが大気圏突入の際に燃え尽きてしまったのは、超高速で落下するザクによって空気が圧縮されて熱が発生し、結果としてザクの機体の温度が上昇してしまったためだ(摩擦熱ではない)。

 ところがもうひとつ、気体は温度が上がると膨張する、という特性も持っている。

 そのため、ターボチャージャーやスーパーチャージャーによって圧力を掛けてエンジン内部に空気を送り込もうとすると、その空気は温度が上がり、そして膨張する。そのため、効率良く空気を送り込むためには、吸入気を冷却する必要がある。

 そこで装備されるのが中間冷却器、いわゆるインタークーラーというものだ。このインタークーラーも、航空機から技術導入されたものといっていいだろう。吸気を冷やすために空冷式、水冷式など、さまざまな方式が考えられた。

 航空機の場合、空冷式エンジンでは水冷式は採用できないため、必然的にインタークーラーも空冷式となったが、これは空気抵抗が増大するという弱点がある。

 水冷式エンジンを搭載している場合には水冷式インタークーラーも搭載できるが、エンジンの熱に加えて吸気冷却もおこなう関係上ラジエーターの大型化が必要となり、やはり空気抵抗増大を引き起こす可能性がある。

 しかし、その空気抵抗増大をものともしないような、大出力を得られるエンジンを搭載しているのであれば、これは弱点とはならない。

 では、それほど出力が大きくないエンジンの場合はどうしたらいいのか。この解決法が、水メタノール噴射という冷却方法だった。

 これは吸気に対して、メタノール溶液を噴射することで、液体が気化するときにまわりの熱を奪う、気化潜熱を利用して吸気を冷やすというもの。

 空冷式の航空機エンジンが主流で、オクタン価の低いガソリンを使用せざるを得なかった日本や、水冷式航空機エンジンが主流ではあったが、やはりオクタン価の低いガソリンを使用せざるを得なかったドイツでは、この水メタノール噴射による吸気冷却が実用化されていた。

 2016年に発売されたBMW F82型「M4 GTS」に採用されたウォーター・インジェクション・システムの大元にあるのはこの水メタノール噴射といえる。

『技術の進化はそれまで常識とされていたものの積み重ね』という言葉がある。現代のクルマに使われている技術は、元をたどれば過去の技術者がトライして失敗してきた、さまざまなアイディアの積み重ねによるものなのだ。

Nextアニメーションでターボの仕組みを理解する!
Gallery【画像】ターボと聞いて思いつくクルマを集めてみました(28枚)

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